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手役アーティスト森山茂和「今の新人は100半荘さえ打たないらしい。強くなれるはずない」【後編】

東スポWEB / 2024年6月30日 10時14分

「今の新人は月100半荘さえ打たないらしいのです。実戦以上の上達方法はないのだから強くなれるはずもない。とにかく打つ回数を増やしてほしいですね」

時代の変化を最前線で感じてきたからこそ、常に危機感を抱いている。

「いつも若手プロには目の前だけ見るなよとは伝えています。単に局を進行させるだけの麻雀でたまたま勝ちにつながることがあっても、誰も感銘を受けないぞと厳しく伝える時もあります。そして何でもかんでもオリればいいわけではない。最低限の読みの技術とツキを頼りに、戦った先にある放銃は悪い放銃ではないんでね」

厳しいことを伝えることで嫌われたとしても、それは自分の役割だと自覚している。

「ただ、今の世の中はネットの一部の意見が強すぎる。私ひとりが炎上するのは構わないけれど、団体に迷惑をかけたくない気持ちはあります。でも麻雀プロという存在が生き残っていくためには必要だと思っています」

プロテストに受かったからといって生活が保証されるわけではない。ひたすら鍛錬を積み重ね、結果を出し、仕事のオファーを待つという厳しい世界。だからこそ後輩プロたちにチャンスの場を広げ「麻雀プロが食える世界」を切り拓いてきた。

「小島武夫と灘麻太郎という超一流プレーヤーたちから肌で感じた素晴らしいものを残し、それをどう若手プロたちに伝えていくのか。誰からもリスクペクトされる麻雀プロに育ってほしいという思いがあるんでね。だから若手で強いプレーヤーが出てくるとうれしいけど、まだトータルでは負けるとは全然思っていない。もちろん自分でダメだなと思ったら、その時は引退しますけどね」

☆もりやま・しげかず 1951年11月6日、山口県生まれ。専修大学卒業。主な獲得タイトルは第9期王位、第12期最強位、第6回MONDO21杯、MONDO麻雀プロリーグ第17回名人戦、第3・6・7・12・13・16回天空麻雀など。著書に「麻雀プロはこう読む」。北海道から九州まで全国12か所に支部を構え、約900人が所属する日本プロ麻雀連盟の現会長。2003年、オンライン対戦ゲーム「麻雀格闘倶楽部」に麻雀プロを登場させるなど、「麻雀プロが食える世界」を多角的に構築してきた。

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