【都知事選】小池都知事に続き…片山さつき氏は〝レスラー乱入被害〟 プロレスの政治利用に批判の声も

応援する戸枝大幸氏(左から２人目)の街頭演説にレスラーが乱入し、驚く片山さつき氏(同３人目)

都知事選や都議補選（ともに７月７日投開票）で、小池百合子都知事、自民党の片山さつき元地方創生相が立て続けにプロレスラーと絡んだ。小池氏が鈴木みのるに空手チョップをお見舞いしたかと思えば、片山氏はプロレスラーに〝襲撃〟されるも、堂々と受けて立った。

小池氏は２９日、プロレス団体「ＤＤＴ」が東京さくらトラム（都電荒川線）で開催した「都電プロレス」のオープニングセレモニーに公務として出席しただけでなく、試合にも〝参戦〟。鈴木に空手チョップをお見舞いし、話題となった。

これはＤＤＴのリングにも上がる自民党の川松真一朗都議が仕掛けたものだ。都電荒川線の５０周年記念の盛り上げイベントとして、昨年大成功を収めた新幹線プロレスを開催したＤＤＴが企画した。川松氏が都交通局と折衝したという。

「鈴木みのるさんから『こんな一大なことなのに小池さんが来ないのはおかしい』と言われて、小池さんにどうですかと。最初はどうかなと言っていたけど、結果として来られた。当初、見学だったが、鈴木みのるさんが絡んじゃって、知事もノッてきて、空手チョップを出した。時代を感じますよね」と川松氏は自身のユーチューブで明かした。

翌３０日には、片山氏がプロレスラーの〝襲撃〟に遭った。北区都議補選に自民党から立候補している戸枝大幸氏がＪＲ赤羽駅前で行った街頭演説会に、応援に駆け付けた時だ。北区を地盤に活動する「シアタープロレス花鳥風月」に出場しているサメ覆面男のザ・シャークやフランケンシュタインメークの死神らプロレスラーが「物申したい」と押しかけたのだ。

大男の出現に一瞬、驚きの表情を浮かべた片山氏だが、そこは百戦錬磨とあって、「陳情ですね」とすぐにのみ込み、少子化対策の訴えに耳を傾けた。戸枝氏がチョップを食らい、片山氏は小池氏のようにチョップこそ披露しなかったが、「とてもびっくりしたが、応援よろしくお願いします」と支持を訴えた。

小池氏のプロレス参戦に蓮舫氏はＸで「私はプロレスも大好きです。都知事の公務の一環として理解はします。でも。候補者討論会も優先してくれませんか？」とかみついた。選挙とプロレスの絡みにネット上では「プロレスを政治利用するな」「東京、大丈夫なのか？」と一部で批判の声も上がった。

戸枝陣営関係者は「賛否があるかもしれないが、若い人たちにも訴えていきたいという一心」と話す。日本の選挙はとにかく投票率が低い。特に若者は政治に縁遠く、関心が低いとあって、各陣営はなんとか興味を持ってもらおうと試行錯誤を重ねている。得票増には新規開拓していくしかなく、パフォーマンスと批判されてもプロレス人気の力を借りた格好だ。