【阪神】森下翔太がスタメン落ち危機 伊勢孝夫氏は「技術よりまずはメンタル面のケア」と指摘
東スポWEB / 2024年7月3日 5時16分
阪神は2日の広島戦(マツダ)に3―0で勝利し、連敗は2でストップ。両チームともスコアレスで迎えた延長10回に島田、近本、中野らの連打で3点を挙げる粘り強さを見せ、貯金を1に戻してセ3位へ再浮上した。だが、不本意な打撃内容に終わったのが、3三振を含む4打数無安打の森下翔太外野手(23)だ。岡田彰布監督(66)は「いつまでもホームランばっかり狙ろて…」と苦言を呈し、スタメン落ちすら示唆。本紙評論家の伊勢孝夫氏は背番号1の状態を「これまでの長所だった思い切りの良さが消え、迷いばかりが出ている」と指摘した。
【新IDアナライザー・伊勢孝夫】阪神からすれば、この日のゲームは「前半戦で最も重要な一戦」だったのかもしれない。前カードの神宮では嫌な負け方が重なり2連敗。ここで敗れれば借金生活突入に加え、広島とのゲーム差は5。状況はますます厳しくなるところだった。内容のある勝ち方でカード初戦をもぎとれた意味はこの上なく大きいだろう。広島の視点からすれば岡田虎を〝殺し損ねた〟とも見られる。いずれにせよ最後まで目が離せない好ゲームだった。
やはり気になるのは森下の打席内容だ。これまで得意としていた内角低めへ沈む変化球にまるで手が出せなくなっている。岡田監督から直々に打撃指導を施されていたそうだが、それによって考えがバラバラになってしまい、彼本来の良さである思い切りの良さが消えてしまっているのではないか。これまで彼に対しては「周囲から何を言われようが、いい意味で聞き流すことができる〝馬耳東風〟タイプ」との印象を抱いていたが、意外と繊細な部分も持ち合わせているようだ。
途中出場した島田が結果を残し続けている以上、森下の一時的なスタメン落ちは致し方ないところだろう。とはいえ、ここまで何度も触れている通り、森下の完全復調なくして阪神の連覇はあり得ない。私が打撃コーチなら、技術的なものよりもまずメンタル面のケアから手をつけるだろう。彼のようなタイプがションボリとしている様を見せられるのは寂しい。
延長10回に、近本に久々の快音が出たのはこの上ない好材料。佐藤輝もこの日は4タコに終わったが、内容自体は依然として悪くないとみている。今カードを勝ち越すことができれば、チームの潮目も大きく変わってくるだろう。まずは目の前の正念場を乗り越え、いい形で勝負の夏場を迎えたい。今年のセ・リーグはますます面白くなるはずだ。(本紙評論家)
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