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【パリ五輪】水質改善進まぬセーヌ川 パリ市民の本音は「泳ぐのが難しいと思っている」

東スポWEB / 2024年7月3日 6時9分

パリの象徴として市民から尊重されるセーヌ川だが水質問題は改善せされていない(ロイター)

本当に大丈夫なのか。パリ五輪の開幕まで3週間あまり。市街中心部を流れるセーヌ川では、26日の開会式やトライアスロンなどの競技が実施される。長年にわたり遊泳を禁じられてきた川の水質改善のため、フランス政府やパリ市は巨額の費用を投入。しかし、6月の調査では基準値を上回るなど、いまだに不安を払拭できていない。水質問題は開催地でどのように受けとめられているのか。フランスの政府関係者が取材に応じ、パリ市民の〝本音〟を明かした。

パリ中心部を流れるセーヌ川では26日に開会式が予定されており、選手らは船に乗って約6キロをパレードする。また、大会期間中はトライアスロンやオープンウオータースイミングの競技会場にもなっている。

セーヌ川は水質悪化により1923年に遊泳が禁止された。フランス政府やパリ市は競技実施のために約14億ユーロ(約2400億円)を投入。しかし、水質改善は思うように進んでいないようだ。昨年8月には五輪・パラリンピックに向けてトライアスロンのテスト大会が開催される予定だったが、水質検査の結果に問題がありスイムが中止に。ランとバイクによるデュアスロンに変更された。

また、現地メディアによると、セーヌ川の4地点における大腸菌の濃度が6月10~16日の全期間で遊泳可能な基準値を上回っていたという。かねてパリのアンヌ・イダルゴ市長は自ら川で泳いで安全をアピールする意向を示してきたが、まだ実現には至っていない。

パリ五輪に選手を派遣する競技団体は、現時点で静観の構え。トライアスロン日本代表は男子のニナー賢治(NTT東日本・NTT西日本)、女子の高橋侑子(相互物産)ら計3人が出場する。公益社団法人日本トライアスロン連合(JTU)は「セーヌ川の水質に関しては公表されている通り。現段階で、特段競技が変更になる情報はない。トライアスロンの大会すべてで定期的な水質検査が行われていて、競技規則としては2か月前、1か月前、当日に行う。ただ、五輪の場合はほぼ毎日行われ、東京大会の時も毎日検査をしていた」と説明した。

トライアスロンは2000年シドニー大会から正式種目に採用。ただ、これまでに五輪でデュアスロンに変更されたケースはない。JTUは「選手たちは通常通り大会に出場するため、コンディションづくりを行っている。セーヌ川での遊泳について、特別な対策は取ってない」としている。

一方で、開催地パリの市民はどう受け止めているのか。フランスの政府関係者は本紙の取材に「パリ五輪に向けて(街全体が)盛り上がっている」と明かした上で、セーヌ川の水質問題についても言及。「フランスにはエッフェル塔とかいろいろなランドマークがある中で、セーヌ川はパリの象徴。セーヌ川への感謝の気持ちは持っている。ただ、パリに住んでいる人々は泳ぐのが難しいと思っているし、個人的には泳いだら頭が痛くなるんじゃないかと思う。イダルゴ市長も泳ぐ予定らしいけど、個人的には泳ぎたいとは思わない」と本音を打ち明けた。

これも、長年にわたり遊泳を禁じられてきた〝黒歴史〟を知っているがゆえの反応か…。いずれにせよ、競技が無事に実施されることを祈るばかりだ。

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