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「精密機械」荒正義72歳「どんな麻雀でも一局も遊ばず真剣に打つ」勝負感性を磨くため【前編】

東スポWEB / 2024年7月7日 10時10分

75年、23歳の時に麻雀専門誌「近代麻雀」の主催大会で、第1期新人王を獲得し、同誌でエッセーを書き始めた。さらに翌年、当時唯一のタイトル戦だった王位戦(第5期)で優勝した。

「王位戦はプロアマ混合戦で2000人ぐらい出てくるから簡単には取れないタイトルだったんだよね」

以降、荒正義の名は知れ渡り、週刊誌などからも原稿依頼が舞い込むようになる。「当時の麻雀プロは“書けるプロ”がいいとされていたんだ。安定収入が得られるからね」

このころ、荒たち若手の憧れの存在として名をはせていたのは小島武夫、灘麻太郎、古川凱章の3人。中でも無類の強さを誇り、麻雀関連雑誌や新聞、週刊誌などに10本以上連載を持っていたのが、同郷の灘だった。

「対局会場で初めて会った時『お前、北海道かよ? 青山に住んでるから今度遊びに来いよ』と電話番号を渡してくれた。後日仕事場に伺ったら、連載中の麻雀漫画の原作を書いてくれという。漫画原作は書いたことがなかったのに『いいんだよ、テキトーで』と私に5万円を手渡ししてくれた。大卒初任給8万円の時代にいきなり5万円。試行錯誤しながら必死に書いて4日後に持っていったら、たまたまいい内容だったようで…」

今度は10万円をもらい、もう2本書いてくれと言われた。

「さらに『麻雀プロであることを生かした仕事をどんどんやれ』と、芳文社の週刊漫画TIMESの編集長に私のことを紹介してくれたんだ。紹介されたら書くしかない(笑い)。それで漫画『雀鬼がゆく』という若者のサクセスストーリーを書いて漫画家の司敬さんと組んだらヒットして、その後も麻雀漫画原作を何本もやらせてもらったんだ」

異名は「精密機械」。

「どんな麻雀でも一局も遊ばず、きっちり打つことを意識していたので、そう言われるようになったのかもしれない。麻雀は勝つことが大事だけど“勝負感性”を研ぎ澄ませて打つことはもっと大事。勝負感性はどんな時でも真剣に打つことでしか磨けない。当時は灘麻太郎の背中を追いかけ、いつかその麻雀を超えたいという思いで一生懸命打ってたね」

※後編に続く

☆あら・まさよし 1952年4月12日、北海道北見市生まれ。A型。日本プロ麻雀連盟副会長。主な獲得タイトルは同連盟五大タイトルである第5・29期王位、第8・28期鳳凰位、第3・5期グランプリ(現麻雀グランプリMAX)、第12期麻雀マスターズ、第38期十段位のほか、第1期新人王、第10期最強位、第4回MONDO21名人、第6・7回MONDO王座。著書は「40年間勝ち組を続ける男 荒正義直伝・麻雀サバキの神髄」「麻雀虎の穴」他。漫画原作も「鉄火場のシン」他多数。

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