【日本ハム】池田隆英にブルペン陣の救世主の期待 金村暁氏「明るい材料ゼロではない」
東スポWEB / 2024年7月9日 6時19分
日本ハムが交流戦明けから下降線をたどっている。リーグ戦再開後、オリックスを除くパ球団と戦い、2勝9敗2分け。最大で「9」あった貯金も底をつき、8日時点で借金3の5位に沈む。新庄剛志監督(52)は難局をどう乗り越えるのか。野球評論家の金村暁氏の見立ては――。
【グラゼニ球論・金村暁】最近は躍進を支えてきた投手陣に〝陰り〟が見えてきています。特にブルペン陣は守護神・田中正が体調不良で2日に抹消。5月は10試合で防御率0・00と終盤の継投を担ったマーフィーが調子を落とし、ファームで再調整となり、台所事情も苦しくなってきましたが、明るい材料もゼロではありません。
右ヒジ痛の影響で出遅れた昨季51試合登板、25ホールドを挙げた池田隆英が2日のロッテ戦で今季初登板。8回を三者凡退で抑え、見事な復活を果たしました。コンディション面に細心の注意を払うのはもちろんですが、チームの踏ん張りどころを乗り越える救世主的な働きを期待したいところです。
調子を上げてきたベテランの宮西、31試合に登板して経験もある左腕の河野。右腕でも勝利の方程式を担う26試合登板の杉浦など人材がいないわけではありません。マーフィーと田中正が不在の間に池田が加われれば、2人の復帰後はさらに厚みを増した形で勝負の8月、9月を迎えることができます。
並行して懸念されるのは接戦の展開で起用が偏りがちになるところ。例年よりもこうしたケースが多く、今季はいっそうさじ加減が難しくなっています。登板過多を防ぐためにも、同点やビハインドの場面で投げる投手たちが重要になってきます。
現在で言えば生田目や斉藤、山本拓、ザバラらの面々。登板時のスコアを維持したまま次の投手にバトンを渡す役割を期待されるとともに、相手の攻撃を3人で終わらせ、自軍に流れを持ってくる。「自分次第で、試合を変えることができるんだ」と強い使命感を持って好救援を続ければ、リリーフとしての価値もさらに上がっていくはず。
どのチームでもブルペン陣全体に疲れが出てくる時期は必ずあります。日本ハムは今がまさにその時。各選手が1つのアウト、一人でも多くの打者を抑えるこだわりと目的意識、助け合いの精神を持ち、まずは球宴までもうひと踏ん張りを期待したい。
(野球評論家)
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