【広島】新井監督「今、何月ですか?」 首位陥落でも泰然自若…ペナント後半へ増やしている〝選択肢〟
東スポWEB / 2024年7月10日 6時14分
首位陥落も泰然自若だ。広島は9日の巨人との首位攻防戦(マツダ)に3―5で敗れ、今季3度目の4連敗を喫して2位に転落した。
同点の8回に2番手・島内颯太郎投手(28)が岡本和の犠飛などで2失点。直近6試合で3敗と精彩を欠き、試合後に新井貴浩監督(47)が本人と話し合って38試合に登板した右腕をリフレッシュのため、登録抹消することを決断した。結果的には信頼を寄せていたセットアッパーを失い、6月7日から君臨していた首位の座も明け渡すショッキングな1日となったが、指揮官は「全く気にしていない。今、何試合目ですか? 今、何月ですか?」と努めて明るく振る舞った。
その言葉通り、一喜一憂することなくこの日も〝未来への投資〟を粛々と行っていた。大事な一戦に新井監督は6年目の大盛穂外野手(27)を「6番・左翼」に抜てき。4回一死満塁の守備では佐々木の左飛を捕球し、好返球でタッチアップした三走を本塁でアウトにした。打っても7回に一時同点の足掛かりとなる右前打を放ち、指揮官も「いいものを見せてくれた」と目を細めた。
大盛は5月11日に一軍に昇格し、守備固めや代走ですでに30試合出場していたが、スタメンは今季初だった。新井監督は開幕して以降、野手の入れ替えを頻繁に行い、契約解除となったレイノルズを含め先発起用した人数は実に25人に上る。こうした「絶対に一度は先発機会を与える」のが新井流だ。開幕後に支配下に昇格した佐藤、最近では中村奨、代走の切り札的存在となっている羽月でも、すでに先発出場のチャンスを4度与えられている。
もちろん、目の前の一戦を勝つために選手には適材適所の役割を与えられるが、特に若手に対しては役割を決めつけることはない。こうした「勝利と育成の両立」を意識したマネジメントが、ペナント後半に向けた指揮官の選択肢をいっそう増やすことになりそうだ。
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