【ソフトバンク】衝撃の小久保采配 「東浜巨2回交代」の舞台裏
東スポWEB / 2024年7月11日 6時15分
ベンチの空気を激変させる一手だった――。パ首位のソフトバンクは10日のオリックス戦(京セラ)に3―4の逆転サヨナラ負けを喫して2連敗。昨季まで3連覇を達成し、7月無敗の王者に屈した。
序盤から起伏の激しい試合は先発・東浜巨投手(34)が2回40球、2失点で降板。前回の同戦で初回に3点を失った右腕はこの日も初回から2イニング連続で得点を与え、小久保裕紀監督(52)は「球を見て、あそこで切ろうと思った」と明かした。
倉野チーフ投手コーチは試合後に本人に二軍再調整を通達。12球団屈指の先発ローテを誇るチームは、開幕から実績や期待値を完全に排除した「結果重視」で競争力を高め、質の高さも維持してきた。レジェンド左腕・和田も不振のため無期限の二軍再調整中。かつて最多勝を獲得したノーヒッターの「2回交代」「即二軍」は改めて一貫した方針を内外に強調する形となった。
敗れはしたが、この試合のハイライトはまさに小久保監督が3回に投手交代を告げたシーンだった。試合後、チーム内からは「あの瞬間に雰囲気がガラッと変わった」との証言が相次いだ。実績十分の主戦級右腕をスパッと諦める〝劇薬〟。必然的にナインのスイッチが入った。
まずは2点を追う4回、先頭の4番・山川が宮城から6試合ぶりの14号ソロ。今回の大阪遠征中に「4番論」を直々に指揮官に問いかけた悩める大砲が、目の色を変えて放った追撃弾だった。さらに5回には栗原が技ありの適時三塁打で同点。宮城降板後の8回には再び栗原が一時勝ち越しの8号ソロを叩き込んだ。1番に抜てきされた今宮は3安打と躍動。東浜の後を受けた大山は次回先発をたぐり寄せる快投を披露し、一軍生き残りと地位確保を狙う正木は宮城から快打を連発した。
主力から若手まで3回以降に一段と集中力が高まった背景には、指揮官が東浜に示したタクトにほかならない。明日はわが身。小久保監督は試合後、柔和な表情で「最後はサヨナラ負けだけど、収穫がしっかりある試合だった」と総括。まさに小久保流が炸裂している。
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