【ソフトバンク】一軍復帰間近の牧原大成 託された「二塁」を巡る選択の行方は
東スポWEB / 2024年7月12日 6時16分
侍が臨戦態勢だ。ソフトバンクはここまで50勝25敗3分け、2位に8ゲーム差をつけて首位を快走している。ただ、今月に入って小久保監督が「今年一番チーム状態が悪い」と打ち明けるように7月は2勝5敗、うち3試合が零封負けと元気がない。精神的支柱にして主砲・柳田がケガで離脱中で、絶対守護神のオスナも登録を外れている。それでもパ5球団すべてに勝ち越し、最大連敗は「3」と安定感は群を抜いている。
チームに焦りや動揺は見受けられないが、負けが込み始めた中でタイムリーに絶対戦力の一軍帰還が〝秒読み〟段階に入ってきた。昨春のWBC世界一メンバーの牧原大成内野手(31)だ。4月末に右脇腹を痛めて離脱。先月末に実戦復帰を果たすと直近の中日との二軍戦では柳、福谷という一軍クラスからいずれもマルチ安打をマークした。今週末の二軍戦が最終チェックの場となりそうだ。
侍の帰還は、鷹の中盤戦以降の戦いにおいて注目ポイントとなる。小久保新体制となって、牧原大は首脳陣の打診に応じる形で「セカンド一本」に絞って勝負をかけた。二遊間を含む内外野の複数ポジションをハイレベルにこなし、昨季は中堅を主戦場に戦った球界屈指のユーティリティープレーヤー。離脱までの22試合、正二塁手として打率2割8分の数字を残し、黒子役として存在感を放った。
セカンドには今、ルーキーの広瀬隆太内野手(23)が自分の城を築こうと懸命にアピールを続けている。牧原大の離脱後、穴を埋めた三森も負傷。チームの危機を救うように広瀬は交流戦から一軍昇格すると、現在24試合連続スタメン出場中だ。慶大時代に東京六大学リーグ歴代4位の通算20本塁打を放った大型内野手は打率2割4分5厘、2本塁打、8打点と奮闘し、守備でも場数を踏みながら成長を続けている。
夏から勝負の秋にかけて、鷹の正二塁手の座は一体誰が射止めるのか――。ぜいたくな悩みと言えるかもしれない。「チーム事情もある。選手の意思、首脳陣の考えもある。その確認は大事」とチーム内でもXデーが近づくにつれ、大きな関心事となっている。
これまでも小久保監督は節目で個人面談を設けるなど、当事者との対話を重んじてきた。若手有望株が突き抜けようとする機会はそうそう巡って来ない。それを後押ししようという未来志向的な考えが働くのも自然だ。一方で、確かな技術でフォア・ザ・チームの選択ができ、チームに覇気をもたらすバイプレーヤーの力も必須で、意思の尊重と理解も必要だ。
今、5年後、10年後と連なる「常勝の道」。もちろん当事者同士の競争ありきだが、一つしかないポジションを巡る選択に大きな注目が集まる。
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