【巨人】一軍復帰の坂本勇人がファームに残してきたもの 阿部監督「若い子たちが何を思うか」

一軍に復帰した坂本勇人

Ｇの背番号６が久々に一軍の大舞台へ帰ってきた。巨人・坂本勇人内野手（３５）が１２日のＤｅＮＡ戦（東京ドーム）に「６番・三塁」で先発出場。４打数無安打ながらも９回に進塁打を放ち、その後のサヨナラ勝利を呼び込んだ。

文字通りの劇的勝利となった。１点ビハインドの８回に丸の８号ソロで同点に追いつくと、９回先頭の大城卓が二塁打でチャンスメークする。ここで打席に立った坂本は初球から３球続けてファウルでしぶとく粘った末、二ゴロで二塁走者の代走・佐々木を三進させることに成功。一死三塁から最後は若林のレフトへの適時打で激闘に終止符が打たれた。

３―２でシーソーゲームを制したチームは破竹の６連勝。２位・ＤｅＮＡとの首位攻防戦第１ラウンドを鮮やかな形で勝利し〝乱セ・トップ〟の座もキープ。試合後の阿部監督は「とにかく明日。今日は今日で切り替えて明日どう勝つか、みんなでやっていきたい」と表情を引き締めながら話した。そして坂本の進塁打には「（状態は）良くないけれども、ああいう打撃が最後にできる精神状態だから心配してないかな」と評し、変わらぬ信頼を寄せた。

打撃不振に陥っていた坂本は先月２６日に登録抹消。指揮官からは「リフレッシュ期間」として与えられたファーム再調整の約２週間は自身と向き合いながら、黙々と原点に立ち返って練習に励んだ。

一方で、その存在は肩を並べて汗を流していたファームのヤングＧたちにも好影響を与えそうだ。再調整期間中の坂本はジャイアンツ球場で連日の炎天下、若手に負けじとほぼ毎日のように走り込み。ベテランの愚直な取り組みが耳に入っていた阿部監督も「その姿を若い子たちが見て、何を思うかだよな」と語っていた。

指揮官は「よく『自信持っていけよ』と言うけど『その自信とはなんだ？』ってなる。結果や実績で自信を持てない人は〝クソミソ〟やるしかないんだよ。決められた練習時間だけでうまくなろうと思ったら大間違い。時間をどれだけ野球に費やせるか、それしかない」とも続けていた。

数々の実績を残してきた現在になっても、ひたすら体をいじめ抜く。そんな坂本の背中は明日の巨人を背負う若手選手たちにとっても、強力なカンフル剤となっている。