【ソフトバンク】今宮健太「引きずったから負けた」 3年連続V逸の連鎖絶つ孤軍奮闘
東スポWEB / 2024年7月16日 6時15分
パ・リーグ首位のソフトバンクは15日の2位・ロッテ戦(みずほペイペイ)に5―8の逆転負けを喫し、大事なカード初戦を落とした。6回まで快調だった先発の大関が7回に突如乱れると、無死満塁のピンチを背負って暗転。イニング途中から救援した杉山が3つの押し出し四球を与え、後を受けた又吉もソトにトドメの3ランを浴びた。今季ワーストの1イニング7失点。今月9勝3敗のロッテに対して3勝8敗のホークスだけに、勢いの差が終盤に露骨に表れたゲームだった。
最大12・5ゲーム差が「6」に縮まっただけに、騒がしくなるのはやむを得ない。だが、球宴前に貯金23を積み上げて首位に立つチームが最も恐れるべきは、ここでジタバタすることに違いない。小久保監督はチーム状態を把握した上で「7月は我慢の月。ひたすら我慢」と辛抱を説き、選手に「今、何が必要かを個々が考えてやるべきことをやる」と求めた。
不振を長引かせないための辛抱――。チームが最も苦しい時にそれを体現している男がいる。唯一無二の安定した守備と月間打率3割1分6厘、同得点圏打率5割と攻守でけん引する今宮健太内野手(33)だ。この日も自らの誕生日を祝う先制打を放つなどチームを鼓舞した。
敗戦後に語られた言葉は力強かった。「あのつながりは、久しぶり感がありましたね。最後ああいう形で(9回に2点を奪って相手守護神の)益田さんまで出して点を取ることができた。明日につながる」。鷹ベンチ内の空気感を証言した上でこう続けた。
「この状況をなんとか打破できれば『優勝』のゴールっていうのはすごく近づくのかなって、本当に思っている。(3年優勝を逃して)守る必要もないし、守るものもない、まだまだ挑戦者。昨年もその前もなかなかこういう状況を引きずったからこそ負けたっていうのもある。そこは我々がやっていかないといけないところ」
精神的支柱にして絶対的主砲の柳田が長期離脱中。そんな中で数少ない「常勝の魂」を継ぐ中村晃と今宮が使命感を持って戦っていることは想像にかたくない。人は苦しい時に本性が現れる。先月末、左肩甲骨付近に死球を受けて病院に向かう直前「肩は動いてますんで」と笑い飛ばした今宮。正念場のこらえどころを知る背番号6が、歯を食いしばって辛抱を体現している。
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