【レスリング】結束固い〝チーム四国〟 パリ五輪金メダルへたぎる思い「全員でスターになる！」

左から日下尚、曽我部京太郎、清岡幸大郎、桜井つぐみ

【取材の裏側 現場ノート】パリ五輪で金メダルが期待されるレスリング日本代表で、存在感を増しているのが「チーム四国」だ。

メンバーはグレコローマン７７キロ級代表・日下尚（２３＝三恵海運、香川出身）、同６７キロ級代表・曽我部京太郎（２３＝ＡＬＳＯＫ、愛媛出身）、フリー６５キロ級代表・清岡幸大郎（２３＝三恵海運、高知出身）、女子５７キロ級代表で世界女王の桜井つぐみ（２２＝育英大助手、高知出身）の４人。同世代で幼いころから気心が知れており「チーム四国」を名乗っている。

中でも日体大出身で母校を練習拠点とする男子３人は「仲良しですね。隠し事なしです」（清岡）と結束が固い。いずれもユニークな性格で、口を開けばお笑いトリオのよう。５月には揃って７人組ガールズグループ「ＸＧ」のライブに行き、刺激を受けてきた。

日下は昨年の世界選手権で銅メダルを獲得。今年は現役世界王者を下すなど絶好調で世界ランキング１位でパリ五輪に臨む。清岡は昨年末に東京五輪金メダルの乙黒拓斗（自衛隊）に勝利し、アジア予選で代表の座をゲット。曽我部も難敵揃いのアジア予選を撃破した。桜井を含め、いずれも頂点に近い位置にいる。

男子３選手にはパリ五輪で金メダル獲得し、かなえたい夢がある。「『少年ジャンプ』の主人公。孫悟空になりたいんです。そして四国という田舎の島から出た全員でスターになる！」（清岡）。「愛媛の人、いや日本中の人に夢と希望を与えたい。２人（日下、清岡）より輝きます」（曽我部）。「ＸＧのライブで大歓声を聞いて『俺もスターになりたい！』と思った。でも、レスリング五輪代表壮行会の会場を見たら（空席が目立ち）ショックでした。俺が日本レスリング界を変えられる男になります！」（日下）

明日のスターを目指す「チーム四国」が、パリ五輪で大爆発する姿に注目したい。

（スポーツ担当・中村亜希子）