【西武】絶望的最下位に差す〝光〟 若手投手を生かす炭谷銀仁朗の極意「あまり何も言わない」
東スポWEB / 2024年7月17日 6時4分
西武は16日のオリックス戦(ベルーナ)に延長10回の末、1―2と逆転負け。4番手・松本が太田に決勝適時打を許し、借金は再び「32」となった。
渡辺久信監督代行(58)は「(松本は)結果的に捉えられた打球はなかったんだけど、ああいう形で失点してしまった。競り合いの中で大事なところで抑えるか打たれるかだと思う」とリリーフ転向後、4敗目を喫した右腕に言及した。
一方で、先発して7回120球を投じて4安打9奪三振1失点と力投した高卒6年目・渡辺勇太朗投手(23)については「テンポも良かったし、ボールも最後まで良かった。何とか点が取れれば良かった」とフォローした。
オールスター休み前にパ・リーグの借金をほぼ丸抱えしている西武だが、打線が絶望的な状況の中にも希望の光は連日見えている。前日15日の同戦では3年目左腕・菅井信也投手(21)が7回を91球、3安打無失点でプロ5戦目(うち先発は2度)で初勝利。そして、この日の渡辺も今季1勝ながら8戦で5度のクオリティー・スタートを決め、防御率2・49とようやく一軍定着の足場を築きつつある。
また、デビューから5勝1敗、防御率1・37と新人王レースの先頭を走る黄金ルーキー・武内夏暉投手(22)と合わせ、次世代のローテーション候補が台頭してきている。
今回のオリックス戦2試合に関して、その若手投手たちの良さを引き出したのが19年目のベテラン・炭谷銀仁朗捕手(36)だった。渡辺代行も「銀仁朗が連日いいリードをしてくれている」とたたえたように、初コンビとなった渡辺の最速149キロ速球と〝最遅〟120キロのカーブとの緩急をベースにオリックス打線から6つの空振り、3つの見逃し三振を奪って試合のテンポを作った。
炭谷は「ルーキーとか若い投手と組む時はあまり何も言わない。『全部ストライクだけ投げてこい』とかポイントだけに絞っている。打者一人ひとりの対策を言っても難しいし、無理なので。ピンチの場面ではもちろん全部指示しますけど、全体的には大まかです」とリードの極意を語る。
頭でっかちにならないように指示は短くリードの中で緩急、ゾーンの対角線の使い方を成功体験の中で覚えさせて投球パターンを作っていくのが〝炭谷流〟。歴史的な悲惨な成績が並ぶ中でも、ライオンズの未来を照らす希望は経験豊富なベテランの手によって育まれている。
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