芥川賞・直木賞でも〝顔出しNG〟の波 三浦しをん氏「私もすごい嫌だった」
東スポWEB / 2024年7月18日 5時28分
第171回芥川賞・直木賞の選考会が17日に都内で開かれ、芥川賞は朝比奈秋氏の「サンショウウオの四十九日」と松永K三蔵氏の「バリ山行」、直木賞は一穂ミチ氏の「ツミデミック」が受賞。一穂氏は会見で初めてメディアに顔出しとなった。
マスク姿で登壇した一穂氏は喜びを語った一方で「基本的には顔面NGでお願いしたいと思っていて、マスクがギリギリです」と明かした。
近年、インターネットの発達に後押しされてか、各界で顔出しをしないままに活動を行う人が多く見られるようになった。顔出しNGの歌い手・adoや都知事選でも作家の暇空茜氏、AIメイヤー氏など顔出しNGの候補者が話題となった。
文学界も同様だ。今回はノミネート時に芥川賞、直木賞合わせて10人中3人が顔出しNGの覆面作家だった。一穂氏はその中の一人で、受賞にあたって顔出しを一部解禁した形だ。
同賞の会見では受賞者の顔出しでの会見が通例となっているが、主催する日本文学振興会はあくまで作家第一主義を掲げた。「会見についてルール等は設けておりません。会場にいらっしゃらず、ズームや音声だけで質疑応答することももちろん可能ですし、ご本人の意思を最大限尊重します」(広報担当)
一穂氏の顔出しについては「受賞をすることがあったらマスクを着けて登壇する」との申し出が事前にあったという。
選考委員を務めた作家の三浦しをん氏は、作品の講評で近年の覆面作家の増加について言及。「私自身小説家になったときに絶対顔を出す感じだったんです、当時。それがすごい嫌だった。絶対なんか言われるじゃないですか、ブスとか」と、かつての思いを明かした。そして「雑念を読者に与えることはせず、作品だけを楽しんでもらいたいと考える方は当然いらっしゃると思うので、全然いいと思う」と顔出しNGの波を好意的に受け止めた。
受賞者全員が覆面作家という日が訪れるのは、そう遠くないかもしれない。
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