【陸上】横田真人氏が〝新プロジェクト〟に込めた思い「今までにない陸上大会の景色を」

Ｏｎ　Ｔｒａｃｋ　Ｎｉｇｈｔｓの様子（提供写真）

陸上男子８００メートルの元日本記録保持者で、マラソン女子の新谷仁美（積水化学）らを指導する横田真人氏が〝新プロジェクト〟に込めた思いを明かした。

スイス発のスポーツブランド「Ｏｎ」とオン・ジャパンは、日本初上陸となるトラックイベント「Ｏｎ Ｔｒａｃｋ Ｎｉｇｈｔｓ ＭＤＣ」を２７日に東京・大蔵運動公園陸上競技場で開催。横田真人氏が代表を務めるＴＷＯＬＡＰＳ主催の「Ｍｉｄｄｌｅ Ｄｉｓｔａｎｃｅ Ｃｉｒｃｕｉｔ（ＭＤＣ）」と共同で行う。

かねて横田氏は陸上の大会を「選手が活躍できる場であり、それをお客さんが一緒に楽しめる場にしたい」と奮闘。五輪のメダルやタイムに焦点が当たることの多い現代において「競技者である僕自身を含め、それ以外の『競技の楽しさを伝える努力』をしてこなかったのではないか」と課題を痛感したという。

１５日には奈良県内で実施された記録会の女子８００メートルで久保凛（東大阪大敬愛高２年）が１分５９秒９３の日本新記録を樹立。日本人で初めて２分切りを成し遂げた。しかし、観客の数がまばらだったことから「たくさんの観客がいる場で日本記録が出ていたらどういう景色になっていたのだろうと思った」と振り返った上で「全ての大会が変わっていくのは難しいとは思うが、少しでもお客さん目線で運営される大会が増えていってほしい。ＭＤＣがきっかけで、こんな陸上競技の楽しみ方があるんだと思ってくれればうれしい」と願いを口にした。

２７日のレースには「Ｏｎ」のグローバルチーム「Ｏｎ Ａｔｈｌｅｔｉｃｓ Ｃｌｕｂ」から日本記録を上回るタイムを持つ海外の選手や男子の飯沢千翔（住友電工）、女子の卜部蘭（積水化学）、塩見綾乃（岩谷産業）ら日本のトップ選手も出場予定。横田氏は「この大会にしっかりお客さんをたくさん呼ぶことができたら、本当に今までにない陸上大会の景色をみなさんと一緒に見られると思っています」と期待を寄せた。