田中恒成が〝標的〟に定めた２人の世界王者「実現するまで勝ち続けます」 V１戦は中止

V１戦中止で頭を下げた田中恒成

ボクシングの３大世界戦（２０日、両国国技館）で、ＷＢＯスーパーフライ級王座の初防衛戦が挑戦者の同級１２位ジョナタン・ロドリゲス（２８＝メキシコ）の体重超過により中止となった王者の田中恒成（２９＝畑中）が、リング上であいさつを行い、王座統一戦を実現させるまで防衛を続けることを宣言した。

前日計量ではロドリゲスが２・９キロもの大幅超過。体調不良に陥ったロドリゲスの健康状態と体重差を考慮し、国内の世界戦では史上初の減量失敗による中止が決断された。観衆の見守る中でマイクを握った田中は四方に頭を下げた後に中止に至る経緯を説明し、「外国人選手が日本に来て世界戦をやるときに、なんだかんだで行われてしまう。その甘い、なめられるというのをなくすために、この決断に至りました」と訴えた。

続けて、この日の朝にロドリゲスと対面したことを明かし、言葉を詰まらせながら「田中選手にもファンにも大変申し訳ない。私は３歳の子供の父で、子供に対しても自分に対しても、とても恥ずべき行動をしてしまった」とロドリゲスの言葉を伝えた。

そして、今後についても言及。同級の王者であるＷＢＣ王者ジェシー・ロドリゲス（米国）とＷＢＡ・ＩＢＦ統一王者フェルナンド・マルチネス（アルゼンチン）の名を挙げ、ともに評価の高い選手であることから「予想が不利なのはわかっています」と前置きしながらも、両選手との統一戦を「実現するまで防衛戦を勝ち続けます」とアピール。観衆からは大きな拍手が送られた。