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MLB2年目に14勝 岩隈久志の制球力を磨いた恩師の言葉「速球に自己満足はダメ」【平成球界裏面史】

東スポWEB / 2024年7月21日 10時27分

MLBでも岩隈の制球力が物を言わせた(2012年2月)

【平成球界裏面史 近鉄編62】平成25年(2013年)の岩隈久志は米大リーグ・マリナーズの先発ローテの一員として開幕からロースター入りしていた。

4月12日のレンジャース戦では当時、同チームに所属していたダルビッシュ有と先発として投げ合う日本人対決が実現した。結果は6回2/3を1失点の岩隈に軍配が上がり、シーズン2勝目をゲットした。6月10日のアストロズ戦では前年から続いてクオリティー・スタート(6回以上、自責点3以下)を9試合連続にまで伸ばした。前半戦は20試合に先発して8勝4敗、防御率3・02、リーグトップのWHIP00・94という堂々の成績を残した。

登板こそなかったもののオールスターにも選手間投票で選出され、能力の高さを証明してみせた。後半戦は7月25日のツインズ戦で10勝目を挙げ、メジャー移籍後初の大台に乗せた。さらに9月13日のカージナルス戦ではシーズン200イニング登板に到達。後半戦も13試合に先発して6勝2敗、防御率2・14、WHIP1・11と安定した成績を継続しした。

最終的には33試合で14勝を挙げて日本投手歴代2位、ア・リーグ3位の防御率2・66を記録した。WHIP1・01は日本選手歴代1位で、同リーグ2位。219回2/3という投球回数(同3位)は堂々たるものだった。

肩の周りの筋肉が弱く、中4日のローテは無理と判断していた関係者を見返すシーズンとなった。サイ・ヤング賞候補を選ぶ投票ではメジャーを代表する右腕のマックス・シャーザー、ダルビッシュに次ぐ3位に入ったことはまさに快挙だった。

若かりし日に近鉄の二軍投手コーチだった久保康生氏に学んだことがここでも生きた。

「野球は速い球を投げる競技ではない。速い球を投げ、自己満足し、自分の世界に入ってはダメ。いかにコントロールで勝負していくか。どんな配球、球種を駆使してアウトを取るかを考えて投げている。その積み重ねがクオリティー・スタートや、完投というふうに形になっていく」

岩隈自身は「2年目は相手打者の特徴も分かってきたこともあって、打者に考えさせる投球をすることができるようになっていました。フォークを使った後に高めのフォーシームを投げるなど、相手打者のリアクションを見ながらゾーンをうまく使って攻めていく」と話すなど、メジャーでの自分の投球をつかんだシーズンだった。

実際、ストライクゾーンを使いながら効果的に打ち損じを誘う投球は有効だった。日本時代と比べて岩隈の投球はフォーシームよりツーシームをうまく使うように構成されていた。岩隈の1イニングあたりの投球数はア・リーグ最少の14・12。全投球におけるストライクの割合は68%で、与四死球率は1・64で同3位と制球力と投球効率の良さが抜群だった。

少ない投球数で打たせ、省エネでアウトを積み重ねる投球スタイルはこの後も続くことになる。その結果、岩隈はとんでもない金字塔を打ち立てることになる。

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