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【パリ五輪】ペットボトル禁止、選手村にエアコンなし…〝環境に優しい大会〟の功罪とは?

東スポWEB / 2024年7月24日 9時51分

選手村の居住棟内に設けられた「TEAM JAPAN Cafe」

【フランス・パリ23日(日本時間24日)発】SDGsの功罪は――。26日(日本時間27日)に開幕するパリ五輪は、環境に優しい大会の実現へ向けた取り組みを進めている。地球温暖化による猛暑、豪雨などが世界中で大きな問題となる中「真夏の祭典」も例外ではない。前回の東京五輪以上に徹底した対策が施されているが、関係者からはメリットとデメリットの両面を指摘する声が上がっている。

ひと昔前とは異なる光景が広がっている。東京五輪では当たり前のようにペットボトルに入った飲み物が選手、メディアに提供されていたが、今回は水筒を配布。複数設置されている給水ポイントを設置して水をくむ形となった。ある大会関係者は「東京五輪でも環境に配慮した取り組みはあったし、成果も出ている。だが、さすがに東京五輪でペットボトルまでなくすことはできなかった」と回想した。

パリ五輪に向けてはパリ市のアンヌ・イダルゴ市長が使い捨てペットボトルについて「プラスチック廃棄物は依然として世界的な問題だ」と指摘し、大会での使用禁止を発表。環境問題を意識した方針で、組織委員会とともに排除に取り組んできた。日本選手団の関係者も「プラスチックを減らす意識がすごく強いように感じる」と語った。

また、組織委員会やメディア、スポンサーなどが作業が行うメインプレスセンター(MPC)も様変わり。東京五輪では東京ビックサイトを貸し切って広々と活用したが、今大会のMPCは簡素化に踏み切った。建物を借りる点は同じながらもスペースは簡略化。東京五輪にも携わった関係者は「会議室や会見場などのスペースも小さくなっている。だけど支障はないし、普通に使えているのでは」と分析した。

一方で課題があるのも現状だ。パリ郊外に建設された選手村にはエアコンがなく、地下のパイプに水を通した床冷房を採用。室温を6度ほど下げる効果がある。ところがフランスでは昨年に猛暑で5000人以上が死亡しており、暑さを警戒する米国など一部の選手団は自費でエアコンを導入。金銭的な余裕のある選手団と苦しい台所を強いられている選手団で大きな差が生じている。

日本選手団も出場選手のコンディションを第一に考え、独自でエアコンを取り入れた。日本オリンピック委員会(JOC)の関係者は「やはり日差しが入ると、部屋の中に扇風機や冷却システム(床冷房)があっても暑いなと思うことがある」と明かした上で「暑くてやだなとか、そういう不安を思うことも選手たちのストレスになるので、暑ければエアコンをつけられるのはすごくいい環境」という。

その一方で、ペットボトルの削減による弊害もある。柔道女子63キロ級で五輪2連覇を果たしたJOCの谷本歩実副団長は「ペットボトルの削減にとって(水筒で)水を取りに行く機会へのハードルが高いという声もある」と話す。日本選手団は居住棟内に設けられた「TEAM JAPAN Cafe」で水分補給が可能。それでも、以前と比べて手間が増えているのが実情だ。

大会関係者や競技団体の関係者からは「これからの五輪は環境に配慮したものにならないといけない」との意見が多く聞かれる。次世代に五輪の輪をつなげるには、さらにブラッシュアップされたシステムづくりが必要不可欠となりそうだ。

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