1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. 野球

【菊地敏幸連載#9】40歳手前での誘い「阪神の方が給料出せるからスカウトやれ!」

東スポWEB / 2024年7月24日 11時7分

田丸スカウト(左)に誘ってもらったが、給料は…。中央は中田良弘

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(9)】大学を卒業して社会人野球のリッカーでお世話になって10年。選手として7年、コーチとして3年、次期監督だと言われていたのですが、何ということか野球部が廃部どころか会社がなくなってしまいました。

そうなると就職活動をしなくちゃいけなくなる。その後の1年間は運動具の小売店で勤務しました。その後はイベント運営や警備などを請け負う大手のシミズスポーツ(現在はシミズオクト)でお世話になり、神宮球場での勤務となりました。

シミズといえば、今は大きいイベントはここがなきゃできないよという会社です。オリンピックや大きな野外音楽フェスなどの運営も任せられる企業ですからね。こちらの会社に私がお世話になったのもご縁でした。神宮外苑の責任者の方が社会人の東芝野球部OBで、神宮で人を探しているという情報が入ってそこの担当になったわけです。

最初は見習い、アルバイトのような立場からでした。それでも3年間、在籍するうちに私がシミズの神宮球場担当の責任者になってしまいました。この時点で私は40歳手前。子供も大きくなってきてお金もかかる時期を迎えていました。

そんなタイミングのある日のことでした。神宮球場といえば学生野球の聖地です。そこには当然、野球関係者がウヨウヨいます。私も高校、大学、社会人と野球を経験しているわけですから野球界の先輩、後輩、知り合いというのは数え切れないほど存在します。そんな中でも大先輩に当たる人物からいきなりスカウトされることになりました。

母校・法政二高の元監督である田丸仁さんです。当時は阪神のスカウトとして活動されていました。もちろん、私は後輩ということになりますから、よく声を掛けてもらってはいましたが「時間あるか? ちょっと来い。今、菊地は給料いくらもらっているんだ!?(笑い)」って調子なんです。

「…このぐらい」と返事をすると「うん、阪神の方がもうちょっと出せるなあ。阪神のスカウトやれ!」って。まあ、驚きはしましたけど、私も野球人です。そんなことを言われたら、こっちもやる気になっちゃいます。実際に面白い仕事ですから。

家族もいてこれから進学とかでお金がかかる時期。やりたいんだけど、1年契約の厳しい世界であり、能力がなければ…となっちゃう。それでもやりたいわけですが、立場を確立させたシミズでの安定した仕事も捨てがたい。シミズからしても球場と良好な関係を築けていた担当の菊地を残したいと思ってくれていたようです。

まあ、すったもんだもあったんですが、最後には気持ち良く送り出してくれました。田丸先輩から「阪神の方がもうちょっと出せる」と金銭面の条件も良くなるはずでしたから、期待を持って阪神タイガースとの契約に臨みました。

でもですよ、いざ契約となったら給料ダウンだったんです(笑い)。話が違うぞ! シミズにいた方が給料は断然良かった…。本当に低かったんです。まあ、しょうがないですね。やりたい仕事をやらせてもらうんですから。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください