「ドラえもん」共演の声優がのび太役の小原乃梨子さん訃報惜しむ「納得いかないと『やり直したい』と」

小原乃梨子さん

テレビ朝日系アニメ「ドラえもん」の野比のび太役などで知られる声優の小原乃梨子さん（享年８８）が亡くなっていたことが２３日明らかになり、声優業界から死を惜しむ声が上がっている。

多くの声優たちはメールや関係者づたいですぐに情報共有し、それぞれの収録現場で小原さんの話題で持ちきりになった。

「ドラえもん」で共演経験のある声優は「現場で何度かご一緒させていただきました。収録前は周りに気を使う優しい感じでしたね。ひとたび収録が始まると、自分の演技や掛け合いのセリフ一つひとつにこだわりを持ち、仕事に真摯に向き合う姿が印象的でした」とゆっくりと言葉を紡ぎながらしのんだ。

小原さんはアドリブに定評があった。

「アフレコで自分が発したアドリブでも、納得がいかないと『やり直したい』とディレクターに相談して録り直してもらう。それだけ、のび太というキャラクターにこだわりを持っているのだと感心したのを覚えています」（前出声優）

生前、ライフワークだった講演会では「心とことば」「心の通う朗読の世界」をテーマにしていた。キャラクターの心を誰よりも意識していた小原さんだからこそ、自然にそのキャラらしいアドリブを出せたのだろう。

「声優として幅広い役をこなし、なおかつ個性的で憧れの役者さんでした。背中を追いかけていました。また一人、素晴らしい声優さんがいなくなりました。ご冥福をお祈りします」と前出声優は結んだ。