【パリ五輪】迫る開会式 今さら聞けない「競技開始」と「開幕」の違いとは?
東スポWEB / 2024年7月26日 14時51分
第33回となる夏季五輪パリ大会が26日(日本時間27)の開会式で幕を開ける。すでにサッカーなどで熱戦の火ぶたは切られたが、五輪「開幕」と「競技開始」の違いは何なのか? 今さら聞けない疑問――。
団体球技や一部個人競技で先行スタートするのが、近年の五輪ではならわしとなっている。が、それをもって開幕とは言わない。オリンピック憲章に定めがある。
規則55の3項に「オリンピック競技大会は、開催国の国家元首が次のいずれかの文章を読み上げ、開会を宣言する」との条文がみられる。いずれかというのは、夏季大会バージョンと冬季大会バージョンの2通りで、結びは「開会を宣言します」で共通している。今回でいえばフランスのマクロン大統領がその役割を担う。これをもって大会が「開幕」。それ以前の試合の初日は「競技開始」となる。
先行スタート競技が始まる前に開会式を実施すればこうしたギャップはなくなるが、規則32の附属細則は「オリンピック競技大会の実施期間は16日を超えてはならない」と上限を設ける。今大会は26日から8月11日までの17日間。1日多いが、同じ日数だった2021年の東京大会を例に国際オリンピック委員会(IOC)はホームページでこう説明している。
「オリンピック憲章には『関係IF(国際競技連盟)およびIOC理事会がこれと異なる期間を承認した場合は、その限りではない。その場合、いくつかの試合および予選は、開会式に先立ち実施することができる』とも記されている」(規則32付属細則)
そのため、「開会式前に始まる競技、開会式、閉会式当日に行われる競技があっても特に問題はない」というのがIOCの見解。こうして「16日を超えない」という建て前が一応は成り立つ形だ。ただ、今回の開始日の24日に開会式を行えば、期間は19日に延びて大幅に超過してしまうから、格好がつかない。
先行スタートする競技をなくせばギャップは解消するが、サッカーのように一定の試合間隔が求められるスポーツでは、参加チームを減らさない限り、日程を消化し切れなくなる。チーム数が少ないと五輪にふさわしい格が落ちるデメリットが生じる。憲章を改定して大会期間を長期化する方法も、経費増大につながる可能性があるだけに難しい。
そんなこんなで現行のダブルスタンダードめいた日程が定着しているのだろう。
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