1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

【スケートボード】14歳・吉沢恋 金メダル引き寄せた〝他競技〟挑戦「空中での動きの範囲が広がった」

東スポWEB / 2024年7月29日 6時3分

金メダルをまじまじ見つめる吉沢恋(ロイター)

驚異の14歳が発揮した強さの秘密とは――。パリ五輪のスケートボード女子ストリート決勝(28日=日本時間29日、コンコルド広場)が行われ、吉沢恋(ここ=14、ACT SB STORE)が272・75点で金メダルを獲得。東京五輪の西矢椛(サンリオ)に続き、2大会連続で日本勢が頂点に立った。吉沢のトレーニングなどをサポートする「ジョイスポーツ」の山田勝昭社長が取材に応じ、間近で感じた進化の要因を明かした。

新たな武器で勝利を引き寄せた。決勝は45秒間で自由に技を繰り出す「ラン」で2位につけると、一発技で競う「ベストトリック」の4回目に「ビッグスピンフリップ・フロントサイド・ボードスライド」を成功。96・49点をマークして両手を突き上げた。堂々たる演技を見せた吉沢は「うれしいし、自分が金メダルを取ったことに驚きがある」と声を弾ませた。

吉沢は7歳の頃に兄の影響で競技を始めた。当初は習い事の一環として神奈川・相模原市の「ジョイスポーツクラブ」でトランポリンなどに励む中、小学5年時に開催された東京五輪で自身が習得していた大技を西矢が披露。「もしかしたら私も」と意欲が芽生え、本格的に世界一を目指す道を歩み始めた。

西矢らとパリ五輪の代表争いを繰り広げていた2月。久しぶりに吉沢と話した山田社長はある変化に気がついた。「『どういうふうにスケボーを捉えているの?』『これからどういう選手としてやっていきたいの?』と聞いたら『スケボーで食べていきたい』と言っていた」と回想。中学2年(当時)がスケボーへの覚悟を口にしたことに驚いたという。

さらなる高みを見据える上で、2月からは山田社長のもとでトランポリンを使った練習を実施。「スケボーは抱えたり、ひねったりする動きがあるが、類似した空中の動きを4台のトランポリンを使って再現している。隣のトランポリンにジャンプしながらポーンと飛び移る中で、スケボーと類似した動きをやっている」と明かす。他競技の要素を取り入れたことで吉沢も「空中での動きの範囲が広がった」と手応えをつかんだ。さらにトランポリンを使いながらケガをしない着地姿勢を学ぶなど、さまざまな体の動きを染み込ませた。

「ジョイスポーツ」内の用具もスキルアップに役立った。1か月に2~3回、専用施設で本格的な練習をする際に、父・功さんが車にマットを積んで持って行った。何枚も重ねてレールの下に敷くことで、ケガのリスクを極力下げることに成功。山田社長は「マットがあったので、1日に1本か2本しか練習できなかった技が何本も練習できるようになったとお父さんが話していた」と振り返った。

自身へのご褒美は「ディズニーに行きたい」と初々しい表情を浮かべたが、競技の話になると自然と顔が引き締まる。「スケートボードは選手生命が短くて、全体的な平均年齢も低い。そこを覆して自分が大人になっても『五輪に立てるんだよ』と証明していきたい」。パリの地で築いた勲章は、まだ物語の1ページ目にすぎない。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください