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【柔道】阿部一二三の「五輪4連覇」野村忠宏氏超えは可能か…恩師の日体大・山本部長が挙げたポイント

東スポWEB / 2024年7月29日 11時11分

金メダルを手に笑顔の阿部一二三

4連覇の現実度は――。パリ五輪の柔道男子66キロ級で、阿部一二三(26)が東京五輪からの2連覇を果たした。同日28日(日本時間29日)の女子52キロ級で妹・詩(24=ともにパーク24)が2回戦で敗退。きょうだい連覇は逃したが、兄が金メダルで妹の無念を晴らした。日本柔道界のスターは周囲で指摘されていた〝不安説〟を一蹴。また、かねて目標に掲げる偉業達成に向けて、恩師がポイントを挙げた。

王者が花の都で最高の輝きを放った。初戦から全て一本勝ちで迎えた決勝でも、ウィリアン・リマ(ブラジル)から残り2分21秒で技ありを奪うと、さらに袖釣り込み腰で合わせ技一本。文句なしの金メダル獲得に、スタンドから応援した妹・詩も歓喜の涙を流した。

一二三は「最高の思い。この3年、東京(五輪)が終わってから、すごい苦しい、しんどい思いばかりで。楽な道ではなかった。あとは妹が負けてしまって僕自身も、すごい苦しい一日になった。妹の分まで、やっぱり兄が頑張らないと、という気持ちで一日頑張りました。苦しかったけど、そこは兄としてやるしかない」と気持ちを高ぶらせた。

一方で、バルセロナ五輪金メダルで所属のパーク24柔道部の〝柔道王〟吉田秀彦総監督は大会前の取材でこう〝不安〟を明かしていた。「見通しはいいと思われがちだけど、東京五輪とパリじゃ全然違う。無観客から有観客となって、平常心でやれるか。普通にやれば敵はいないし、それはみんな知っている通り。でも、何が起きるのかわからないのがオリンピック」といい、兄貴分の故・古賀稔彦さんが1988年にソウル五輪で敗れた例を挙げた。

「古賀先輩でも、ソウルでは自分の柔道をできないで負けている。普通にやれば絶対に勝てるのに、雰囲気にのまれたんです。自分は目の前でそういうのを見ているから」。〝平成の三四郎〟でも「絶対金メダル」の重圧にのまれた五輪の魔物。しかも同じく金メダルを確実視された妹が直前に敗れるという衝撃の中でも、鋼のメンタルで勝ち切った。まさに〝三四郎超え〟を果たしたことになる。

そんな一二三は、早々と男子60キロ級で五輪3連覇を達成した野村忠宏氏超えとなる4連覇を視野に入れる。ソウル五輪男子65キロ級銅メダリストで母校・日体大柔道部の山本洋祐部長は「子供のころから野村超えを目標にしている。3連覇、4連覇へ五輪に出場して、金メダルを取りにいくことが人生の中での計画となっている。全ての熱量を全部五輪に注いでやっているのが本人のスタイル」と強い思いを感じている。

目標にブレがないとはいえ、達成は容易ではない。山本氏は「パリ五輪が終わると4年あるので、そこの中での過ごし方はいろいろ経験しないといけない。野村も2連覇で引退しようと思ったけど、米国に2年行ったりとかしていた。やっぱり少しの充電期間っていうのは必要だと思う。五輪の価値をもう一回見いだして、人生最大の目的へ向かっていかないといけないと思う」とアドバイスを送った。

東京五輪に続く〝きょうだいV〟には、届かなかった。それだけに4年後のロサンゼルス五輪へ向けて「まずは次の3連覇。今回、詩が負けてしまって新しい目標ができた。僕ももっと頑張らないといけない理由が増えた。きょうだいでロスで金メダル取るために、きょうだいで切磋琢磨してやっていきたい」。新たなモチベーションも4連覇達成へ大きな力となりそうだ。

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