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【阪神】佐藤輝明 本塁打激減の本拠地に本音吐露「今はもう甲子園でホームランは狙えない」

東スポWEB / 2024年7月30日 5時18分

佐藤輝明

直近4連勝と勢いに乗る阪神は30日から3・5ゲーム差で追う首位・巨人との3連戦(甲子園)に突入。重要な戦いのキーマンとなりそうな虎の4番・佐藤輝明内野手(25)は「しっかりと自分のバットで勝利に導きたい」と意気込みを見せる。しかし、投高打低の時代とはいえ、あまりにも本塁打が出ない今季の甲子園。生粋の長距離打者としてのエゴと、チームの看板打者としての責任感のはざまで、虎の規格外砲が抱えている葛藤とはいかに――。

攻守に精彩を欠き5月には二軍再調整も命じられた佐藤輝は、3日の広島戦(マツダ)以来となるアーチへの意欲を問われると「それは風に聞いてください」と苦笑交じりに受け流した。

一軍復帰を果たした6月以降は35試合に出場し、132打数38安打で打率2割8分8厘と好調を維持。長らく確実性の低さを指摘されてきた背番号8が、3割打者が激減した現在の球界において、この数字を残せていることは特筆すべきだろう。

前カードの中日3連戦(甲子園)でも、13打数6安打3打点の大活躍でチームのカード3連勝に大きく貢献。だが今季ここまでマークしている本塁打数はわずか5本。入団以降、3年連続で20本塁打以上をマークしてきた長距離砲としてはあまりにも寂しい数字だ。

8月1日に開場100周年を迎える本拠地甲子園球場だが、今季は例年以上に阪神、他球団チームともに同球場での本塁打が激減。今季ここまで44試合の公式戦が開催されたが、フェンスを越えた打球は敵味方合わせて計22本のみ。1試合平均本塁打は0・5本しか出ていない計算だ。

各球場で「どれだけ本塁打が出やすいか」を示す指標・パークファクター(PF)をひも解いてみると、12球団の本拠地球場で甲子園は最下位の0・56。0・85で8位だった昨季と比較しても、大きく数値と順位を落としている。ちなみに今季ここまでのPF首位は神宮球場の2・21。甲子園の実に4倍近い数値を叩き出している。

甲子園といえば右翼から左翼方向へ強く吹く左打者の天敵「浜風」が有名。体感で「今年の甲子園は例年以上に浜風が強い」と漏らす選手、関係者も多いが、神戸海洋気象台の担当者は本紙の取材に対し「海陸風である浜風が甲子園上空というピンポイントで、どの程度の風速、風向きを通年で記録しているかを数値として割り出すことは非常に困難」と答えるにとどめた。

左の強打者・佐藤輝は今季、ここまで何度も芯で捉えた打球を浜風に押し戻されてきた最大の〝被害者〟。ここ最近の甲子園のゲームでは本塁打狙いの打撃を捨ててミートを意識した〝軽打〟を意識しているという。「風はもう、どうしようもないですよね。今はもう甲子園でホームランは狙えない。ライナーで打てればいいかもしれませんが、僕にはそんな技術はありませんから」。複雑そうな表情で偽らざる本音を明かした。

4番打者の最大の責務は打点を挙げチームを勝利へ導くこと。本塁打はあくまでもその手段の一つでしかないことは重々承知している。その一方で本塁打への本能的な欲求や、長距離砲としての矜持も自身の中で消化不能のままわだかまっているのも事実。美しくも魔物がすむ球場を本拠地とするスラッガーのジレンマが解消する日は来るのだろうか――。

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