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【スケートボード】堀米雄斗「地獄のような3年間」 五輪連覇に導いた〝頭脳的トレ〟に元世界女王も驚嘆

東スポWEB / 2024年7月30日 11時6分

大逆転での1位に、喜びをかみしめる堀米雄斗

快挙を呼び込んだ〝金特訓〟とは――。パリ五輪のスケートボード男子ストリート決勝(29日=日本時間30日、コンコルド広場)で、東京五輪王者・堀米雄斗(25=三井住友DSアセットマネジメント)が281・14点で優勝。2大会連続で金メダルを獲得した。同種目の元世界女王が取材に応じ、選手目線からトップスケーターの勝負強さの要因を徹底分析した。

7位で迎えた「ベストトリック」の最終5本目にドラマが待っていた。「泣いても笑っても最後だから、悔いの残らないように。何がなんでも乗る」。270度横回転しながらレールに乗るオリジナルの技を成功させ、この日最高の97・08点をマーク。大逆転で勝利を引き寄せた堀米は「ここまで来るのにすごい長かった。地獄のような3年間だったし、東京五輪の金メダルより重く感じている」と喜びをかみしめた。

東京五輪王者は、各国・地域最大3の代表枠を争うパリ五輪の予選シリーズで大苦戦。最終戦前の段階では日本勢5番手まで沈んだ。「メンタルも体もどんどん壊れていった」と振り返るが、最終戦で優勝して五輪行きのチケットを奪取。大一番で抜群の勝負強さを発揮できる要因は、計算し尽くされた練習方法がある。

堀米とともに男女の日本スケボー界をけん引してきた、女子ストリートの元世界女王で東京五輪代表の西村碧莉(22=ムラサキスポーツ)は「練習の仕方がすごい上手だなと思ったのが、1回トリックをやったら終わりじゃなくて、失敗するまで、自分のできるいろんなトリックを入れながら滑り続けていたところ」と指摘。1回ではなく何回も繰り返すのは、試合時の後半を想定しているからだ。

「ラン」と「ベストトリック」はともに45秒間で実施される。あっという間にも見えるが、選手にとっては〝長丁場〟。「難易度が高いトリックを入れると足が上がらなくなってきたりとか、体力が続かなくなることがある。普段の練習で、できる限り滑り続けることで、大会でも45秒ちゃんと滑り切るコンディションにより近づけることができる。しかも、頭を使いながら滑れるようになる。トリックを1回やったら次に何するかを考えているので、大会でミスをしても臨機応変に対応できるようになる」と堀米式練習のメリットを説明した。

さらに練習の間にわざと休憩を挟むこともあるという。「1回休憩すると体が固まる。その固まった感じや足の重い感じが大会前に滑る雰囲気に似ているらしい。それで休憩をしてから自分の中で大会に見立てて、45秒の『ラン』を滑るような練習をしている」と意図を明かし、頭を使った練習スタイルには「本当にすごいなと尊敬している」と脱帽した。

東京五輪後は金メダリストとなった堀米を注意する人がいなくなり、孤独を感じた時期もあった。そんな苦しい時期を支えてくれたのが家族、仲間、日本代表の早川大輔コーチらだった。堀米は「本当にみんなのおかげで最後まで滑りきることができた。その支えは不可欠だった。体も限界だったし(試合が悪天候で)延期にもなったので、合わせるのがキツかった」と周囲への感謝を口にした。

紆余曲折を経てたどり着いた頂点の座。日本が世界に誇るスケーターの表情は誰よりも晴れやかだった。

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