自民・広瀬めぐみ参院議員 秘書給与詐取の疑いで強制捜査を受け離党へ 内部告発の可能性も

広瀬めぐみ参院議員

勤務実態のない女性を公設秘書として給与をだまし取った詐欺の疑いで、東京地検特捜部は３０日、自民党の広瀬めぐみ参院議員の都内自宅や議員会館事務所に強制捜査に入った。広瀬氏は自民党を離党する意向を固めた。

一昨年から去年にかけて公設秘書として届け出ていた女性に勤務実態がなく、広瀬氏には国から支給された給与数百万円をだまし取っていた疑いが持たれている。

「特捜部は事務所の関係者などに任意で事情を聴いています。今後は、広瀬氏本人からも事情を聴いて秘書給与をめぐる不透明な資金の流れの実態解明を進めるでしょう」（捜査関係者）

特捜部の捜索はこの日午前１０時過ぎに同事務所と東京・文京区にある自宅のほか岩手県盛岡市の地元事務所でも行われた。

同党関係者は「秘書給与疑惑をめぐる事案は、今年３月に週刊誌報道があってから党内で話題になっていました。広瀬氏は自身のホームページ上で反論し事実無根だとしていたのに…。強制捜査が入ったとなると広瀬氏の事務所関係者が、広瀬氏の行為を見過ごせず、特捜部に告発した可能性があるのではないか」と指摘した。

広瀬氏は一昨年の参院選で同党公認候補者として岩手県選挙区から立候補して初当選。同党岩手県連副会長を務め、順風満帆な政治活動を続けていた。

ところが今年２月、週刊誌が広瀬氏自身に夫や子供があるにも関わらず新宿・歌舞伎町のホテルに赤いベンツで入り、カナダ人サックス奏者と不倫をしていたと報道された。広瀬氏は不倫を認めたうえで謝罪していた。

党内では麻生太郎副総裁が会長を務める志公会に所属。同党関係者によると詐欺容疑で家宅捜索を受けた広瀬氏は、同党に離党届を提出する方向で調整しているという。

同僚の同党議員は「不倫報道を認め心機一転、政治活動を再開していたのに残念です。捜査活動に関わるのでそれ以上はコメントできない」と肩を落とした。