マッチングアプリで〝性病検査〟持ちかけ詐欺 真面目装った２０代女性の巧妙手口

マッチングアプリを介した詐欺が多発している

警視庁大崎署は３０日までに、マッチングアプリで知り合った男性から性病検査の費用名目で約３０万円をだまし取ったとして、東京都新宿区の２０代女を詐欺容疑で逮捕した。同様の手口の被害相談が数件寄せられているという。女は容疑を否認している。

逮捕容疑は３月２１日、マッチングアプリで知り合った２０代男性とＪＲ目黒駅近くで会い、性的関係を持ち掛けた上で、「性病が怖いので、お互い性病を検査しましょう。検査費用を貸してほしい。費用は返す」「春から弁護士だから詐欺はしない」として、ＡＴＭで現金をおろさせて、だまし取った疑い。その後、連絡が取れなくなったという。

マッチングアプリで知り合ったターゲットに投資詐欺などを持ち掛ける犯罪はあったが、性病検査でカネをだまし取るのは新しい手口だ。

詐欺事情通は「性病検査名目で数万円をだまし取る手口はありましたが、少額なので警察ざたになっていなかったようです。検査に行くつもりと言い張れば、犯罪を立証しにくいですし。今回は多額でした。結婚前提でのマッチングアプリ利用で、被害者は容疑者をまじめな女性だと信じたからこそ、性病検査も前向きにとらえたのでしょう。性病検査の料金はネットに出ていますから、次回会うまでの生活費などという名目も込みで３０万円だまし取った可能性があります」と語る。

マッチングアプリにまつわる詐欺の手口は多岐にわたる。

「海外から色恋でカネをだまし取る国際ロマンス詐欺、結婚詐欺、投資詐欺、ぼったくりバーなどに連れ込む詐欺があります。コロナやスマホ普及で、出会いの場としてマッチングアプリが浸透し、成婚率が上がっている分、詐欺師も多くなっています。すぐにカネの話が出たら詐欺を疑わなければなりません」と同事情通は指摘している。