【巨人】阿部監督発案の〝短パン奨励〟 球界からも賛同の声「スタンダードを変えなくちゃ」

自身も試合前は短パン着用の巨人・阿部監督

巨人が３０日の阪神戦（甲子園）に１―５で敗れ、連勝は５でストップした。

投げては先発・山崎伊が虎打線の猛攻に苦しめられたが、５回１失点で何とかゲームメーク。援護点を待ったが、相手先発・才木を前に打線は計３度得点圏に走者を進めながらも、得点は７回に丸の内野ゴロの間に奪った１点のみ。６回には２番手・中川が大山に痛恨の３ラン、７回には４番手・平内が森下にソロを浴びて勝敗が決した。

それでも阿部慎之助監督（４５）は「相手にダメージを与えられたのは大きな収穫。こういう日もあるし、全員で切り替えて明日やるだけです」と選手たちを擁護し、次戦に切り替えた。

試合にこそ敗れたが、甲子園開設１００周年の節目を迎えた伝統の一戦同様、舞台裏では阿部監督が発案した画期的なアイデアに日本球界全体から関心が寄せられた。

屋外球場での開催となった前カードのＤｅＮＡ戦に先駆け、指揮官は２５日に報道陣に向けて「ドレスコード」の緩和を提言。これまでは季節を問わず、関係者はスラックスなどを着用することが球場での正装となっていたが、阿部監督は「みんな半ズボンにしたらいいと思う。ゴルフをするような格好で仕事をしたらいい」と酷暑対策として短パン着用を奨励していた。

以降は実際に現場の報道陣の半数近くが短パン姿で取材。気温３５度以上を記録したこの日の甲子園でも、同様の服装をした記者が半数を占めた。これに球場関係者も「見慣れない服装の記者がたくさんいたので、びっくりしましたよ」と驚きを隠せずにいたが、こうした働きかけには「大賛成」という。

「今年の夏の暑さは異常なレベルですし、そろそろ今までの『スタンダード』を変えなくちゃいけないタイミングになってきたのは間違いない。これから甲子園では高校野球が始まりますが、記者の方に限らず、関係者が毎年暑さに苦しんでいる姿を見るのはつらいですし、プロ野球発信で球界の正装が変わっていくとうれしいですよね」（前出関係者）

すでにＤｅＮＡでも三浦監督が２７日に報道陣に対して「短パン推奨令」を出しており、酷暑への懸念は全球団の共通事項。阿部監督の斬新なアイデアは球界に新風を吹き込む一大ムーブメントとなりそうな気配だ。