五輪休戦お構いなし! イスラエルがハマス最高指導者殺害で「中東全面戦争」現実味
東スポWEB / 2024年8月1日 6時21分
パレスチナ自治区ガザでイスラエルと戦闘を続けるイスラム組織ハマスの最高指導者イスマイル・ハニヤ氏が訪問先のテヘランで暗殺された。ハマスが7月31日、「シオニストによるテヘランの住居への裏切りの襲撃の結果死亡した」と声明を発表した。またイラン最高指導者のハメネイ師はイスラエルへの報復を宣言。中東全面戦争への発展が危惧されている。
ハニヤ氏はイランのペゼシュキアン新大統領の宣誓式に出席するため訪問。滞在したテヘランの住居で空爆を受けて殺害された。ハニヤ氏は2017年、ハマスの最高指導者兼政治局長に選出された。近年はカタールを拠点にトルコ、レバノン、イラン、エジプトを行き来していたとみられる。
イラン情報筋はレバノンメディア「アルマヤディーンチャンネル」に対し、「イラン国内からではなく他国から発射されたミサイルによって破壊された」と語った。イスラエル首相府はコメントを出していない。
軍事事情通は「イスラエルはモサド(諜報機関)による暗殺については公式コメントを出しませんが、同国による暗殺だとみられます。犯行声明を出したグループはありませんし、イスラエルは昨年10月7日のハマスによる攻撃以降、ハニヤ氏殺害を誓っていました。ハニヤ氏はハマスの外交の顔で、人質解放と停戦協定の交渉で重要な役割を果たしてきました。ハニヤ氏の死によって停戦の可能性がより低くなります」と語る。
イスラエルは2004年、ハマス創設者で精神的指導者のシェイク・アハメド・ヤシン氏をミサイル攻撃で殺害した。しかし、ハマスは揺らがなかったという。〝テロ組織〟という構造上、いつトップが亡くなっても組織が維持されるよう、権力のスムーズな移行が可能だからだ。今回も内政と戦闘継続への影響は大きくないとみられている。
一方、イスラエルは30日にレバノンの首都ベイルートを空爆し、イスラム教シーア派組織ヒズボラの軍事部門最高幹部フアド・シュクル氏を殺害したと発表した。その直後にハニヤ氏が殺害された。
「イランが後ろ盾となっているヒズボラ最高幹部、そしてイラン領内でハマス最高指導者が殺害されました。イランにはイスラエルを直接攻撃する十分な動機ができ、中東全面戦争が危惧されます」と同事情通は指摘している。
現在、国際オリンピック委員会(IOC)と国連が呼び掛けるオリンピック休戦期間中だが、緊張は高まる一方だ。
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