【広島】首位浮上の裏に意識の高さ DeNA新人に仕掛けた〝わな〟に「俺らはだまされるな」
東スポWEB / 2024年8月2日 5時1分
広島は1日のDeNA戦(マツダ)に2―1で競り勝ち、巨人と入れ替わって7月20日以来の首位に浮上した。
試合後の新井貴浩監督(47)は「まだまだ順位は気にする段階じゃない」と意に介さなかったが「球際に対しての集中力、打つだけじゃなしに走塁、守りも選手は一生懸命やってくれている。本当に紙一重のところで、流れをこっちに引き寄せられているんじゃないかな」。後半戦初のカード勝ち越しを決めた戦いに抜群の手応えを口にした。
DeNAをスイープした3連戦のカード2戦目(7月31日)とこの日のスコアは、ともに「2―1」。指揮官が口にした「紙一重」とは、前夜のことも含まれているのだろう。その試合は10安打のDeNAに対してチームは6安打。この日は両軍とも8安打で決したカープが打ち勝ったわけではない。明暗を分けたのはDeNA側が走塁面などで何度もミスを繰り返した一方、広島は相手よりも少ないチャンスをものにした点が挙げられる。
中でも相手の走塁に絡んだ守備に対する意識の高さを物語るシーンが31日の試合にも表れた。0―0の3回の守備で一死一塁からエンドランを仕掛けられ、相手打者・桑原に一二塁間を破られた。しかし、一塁走者だった度会は三塁を狙うそぶりもなく、二塁でストップ。実は度会の三塁進塁を阻止した裏には、遊撃手の矢野の〝フェイク〟が大きく絡んでいた。
矢野は度会が二塁に向けてスタートを切ると、遊撃の守備位置から二塁のベースカバーに。実際には打球は右前に抜けていたのだが、あたかも度会に「4―6―3」の二ゴロ併殺を連想させるような動きを見せてまんまとだましていたのだ。
しかも、その後の赤ヘル戦士たちのリアクションも意識が高かった。赤松外野守備走塁コーチは「ベンチに帰ってきた選手たちから『俺らはだまされるなよ』と、すぐに声が飛んでいました。相手に同じことをやれても、引っかからないように、という意味だと思います。もちろん、ミスは起きた後でも反省できますが、できるのであれば事前に予測し、未然に防ぐのがベストでもありますから」とうなずいた。
人のふり見てわがふり直せを地でいく赤ヘルナイン。首位再浮上は偶然ではなく、敵のミスさえも自分たちの血肉に変えていきそうだ。
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