【U-23】武田修宏氏 完敗での8強敗退に…強化策を提言「もっとアウェーに行く機会を増やして」
東スポWEB / 2024年8月3日 6時35分
パリ五輪のサッカー男子は2日(日本時間3日)に準々決勝が行われ、日本はスペイン戦(リヨン競技場)で0―3と敗れて終戦を迎えた。FW細谷真大(22=柏)の同点弾が取り消される不運もあったが、試合内容は完敗だった。元日本代表FW武田修宏氏(57=本紙評論家)は、次回の2028年ロサンゼルス五輪へ向けて強化案を緊急提言した。
大岩ジャパンが〝細谷の1ミリ〟に泣いた。日本は0―1で迎えた前半40分に、MF藤田譲瑠チマ(シントトロイデン)からのパスをゴール前で受けた細谷が相手DFを強く押さえながら、鋭く反転してシュート。ボールはゴール左隅へと吸い込まれ、値千金の同点弾かと思われた。
しかし、その後にビデオアシスタントレフェリー(VAR)が介入。藤田がパスを出した際に、相手DFを背負う形になった細谷の右足がほんのわずかオフサイドラインを出ていたとして、ゴールが取り消しに。瞬く間に検証の動画や画像がSNS上などで拡散され、カタールW杯の同じスペイン戦で脚光を浴びた〝三笘の1ミリ〟をもじって、「細谷の1ミリ」がX(旧ツイッター)のトレンド入りするなど大きな注目を集めた。
同点弾が〝幻のゴール〟となったことで、日本の反撃ムードは消失。後半に入ると勝負どころの28分にMFフェルミン・ロペス(バルセロナ)、41分にFWアベル・ルイス(ジローナ)と続けて決められて万事休す。金メダルを目標に掲げた大岩ジャパンの戦いは、8強敗退で幕を閉じた。
試合後、大岩剛監督は「選手たちは非常に良く頑張ってくれた」とした上で言葉を詰まらせながら「この上はフル代表しかない。そこを目指して選手たちにしっかり成長してほしい」と語った。武田氏はスペイン戦を振り返り「完敗。オフサイドの件もあったけど、個人の質や判断力が、攻撃、守備においてスペインのほうが上だった」と厳しく評した。
「結果的に8強で負けたことは、協会もチームも反省しなければならない」とした上で、次回大会へ向けて強化策を提言。「とにかく個人が成長しなきゃいけない。そのためにJリーグのレベルをもっと上げないときつい。例えばU-21リーグの案も出ているが、そうしたもので強化を図るしかない」。さらに「もっとアウェーに行く機会を増やして、厳しい環境に置かれることが大事だ」とマッチメークにも注文を付けた。
次回ロサンゼルス五輪に向けては、J1川崎の鬼木達監督やJ1福岡の長谷部茂利監督などが指揮官候補に挙がっており、協会が手腕を高く評価する大岩監督の続投も選択肢にある。悲願の金メダルへ向けた戦いはもう始まっている。
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