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【卓球】早田ひな〝奇跡〟の左腕回復で銅 周囲のスタッフへ「気配り」で積んでいた善行

東スポWEB / 2024年8月4日 6時9分

メダリスト同士で記念撮影する早田ひな(右)

〝気配り女王〟が奇跡を引き寄せた。パリ五輪の卓球女子シングルス3位決定戦(3日、パリ南アリーナ)が行われ、早田ひな(24=日本生命)が申裕斌(韓国)を4―2で下して銅メダルを獲得。東京五輪銅メダルの伊藤美誠(スターツ)に続き、日本勢が2大会連続で同種目の表彰台に立った。左腕痛で窮地に追い込まれながらも、周囲への〝気配り力〟で乗り切った。

勝利が決まっても、コートからしばらく動けなかった。こぼれ落ちる涙が苦悩を物語っていた。1日の準々決勝時に左腕を痛め、2日の準決勝は孫穎莎(中国)に完敗。メダル決定戦に向けてはさまざまな治療を試したものの、厳しい状況が続いた。指導する石田大輔コーチも「僕は100%あきらめていた」と話すほどだったが、試合直前に打った痛み止めが効果テキメンだった。「あれ?いけるかも」。土壇場でよみがえった左腕から放つ強烈なフォアハンドなどで、韓国の若きホープを振り払った。

ケガをした当初は「1人でお風呂も入れない、何も左手が使えない、ドライヤーとかもできない状況だった」。準々決勝後は翌日の朝4時まで治療をし、準決勝後も7時間ほど治療。超音波器や低周波器はもちろん、日本にいるトレーナーにもアドバイスを仰ぐなど、できる限りを尽くした。早田は「本当にみんなができることを全てやってくれて、ここまで戻ってくることができた。準決勝の試合は悔しかったけど、この状況で銅メダルを取れたのは、金メダルを取るよりも価値のある銅メダルになった」と感謝を口にした。

前回の東京五輪はリザーブとして同行。黄金世代で同級生の伊藤、平野美宇(木下グループ)の雄姿を眺めることしかできなかった。悔しさをバネに3年の時を経て、世界トップクラスの選手に上り詰めた。それでも、鼻が伸びることは一切ない。常に周囲のことを考えて行動している。

早田の幼なじみで小中高のチームメートでもある永道麻衣加さんは、日本卓球(ニッタク)の営業企画部で早田の用具サポートを担当。コート外で支えてくれる旧友に、早田は「撮影ありがとう&誕生日プレゼント」用で靴を贈ったという。

当時の様子を永道さんは「ある撮影を手伝った際に、私は『全然気遣わなくていいよ』と言ったのに、ナイキの春っぽいデザインの靴をくれた。センスもよかったです」と照れ笑い。その上で「私の誕生日の時期とは全然違うけど、急に贈ってくれた。しかも早田選手がオフの日に自らお店に見に行って、買いに行ってくれたらしい。日程も過密スケジュールなのに、1日オフが合った時に買いに行ってくれた。貴重な休みにすいませんって感じですね(笑い)」と頬を緩めた。

多くの人たちの協力のおかげで「早田ひな」が成り立っていることは、自分自身が一番理解している。だからこそ、神様は早田を見捨てなかった。5日に始まる団体戦も仲間のために全力で挑む覚悟だ。

「平野選手と張本(美和)選手(木下グループ)はまだメダルを持っているわけじゃない。メダルに向けて自分はどうなってもいいと思っている。とにかくメダルを取るために、3人で一致団結して金メダルを目指したい」。絶対王者・中国を撃破するべく、最後の力を振り絞る。

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