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【競泳】メダル銀1つの惨状 〝北島康介の成功例〟に甘える日本水連に「上層部が変わらないと」の声

東スポWEB / 2024年8月5日 6時11分

今大会の日本競泳陣が獲得したメダルは、松下知之(右)の銀メダルのみに終わった(ロイター)

このまま衰退してしまうのか…。パリ五輪の競泳競技(ラデファンス・アリーナ)は4日(日本時間5日)に全日程が終了。日本勢のメダルは男子400メートル個人メドレーで2位に入った松下知之(東洋大1年)の銀1個のみにとどまった。東京五輪の金2個、銀1個を下回る結果に、多くの競泳関係者が今後を懸念。世界を知るコーチや代表OBからは日本連盟の現状を疑問視する意見が相次いでいる。

厳しい現実を突きつけられた。日本競泳陣は男子200メートルバタフライで東京五輪銀メダルの本多灯(イトマン東進)、男子200&400メートル個人メドレーで元世界王者の瀬戸大也(CHARIS&Co.)ら、表彰台を期待された選手が続々と敗退。メダル獲得数は21世紀以降ではワーストの数字となった。

2012年ロンドン五輪は金メダルこそ逃すも、戦後最多となる11個のメダルを奪取。16年リオデジャネイロ五輪では、2個の金を含む7個のメダルを獲得した。競泳ニッポンの強さを世界に示してきた一方で、近年は世界との差が開くばかり。数々のメダリストを育てたある指導者は、日本連盟の強化方針に問題があるとの見方を示す。

五輪や世界選手権などの国際大会は、代表に選出された選手を複数指導するコーチを優先的に代表コーチとして招集。大会によってコーチの顔ぶれが変わる現状に、同指導者は「その時に強い選手と強いコーチでメンバーを組んでいるが、それはアテネ五輪や北京五輪の時期の北島康介さんの成功例にいまだに甘えている。そこが良くない。やっぱり4年間ヘッドコーチを決めて、チームとして強化していくことが必要だと思う」と疑問を投げかけた。

ヘッドコーチの有力候補には、銀メダルを手にした松下を指導する平井伯昌コーチを推す声がある。日本代表OBは「結局のところ、日本人はフィジカルじゃ勝てない。テクニックと基礎をしっかり磨いていくしかないと思う。それが昔からブレない平井コーチのやり方。やっぱり結果を残す平井コーチはすごい」と指摘。東京五輪でも大橋悠依(イトマン東進)を個人メドレー2冠に導くなど、毎大会のようにメダリストを輩出する手腕を軸に立て直すべきとの見解だ。

さらに、あるベテランコーチは「日本連盟の考えが古い。上層部が変わらないと、昔の強い競泳ニッポンは戻ってこない」とばっさり。3月には資金調達の規定違反があったとして、男子選手にけん責処分を科した。ユーチューブの番組に出演し、認められていないクラウドファンディングによる資金調達を実施したことが理由だが、同コーチは「あんなことで処分するのはどうかな。著作権などをもっとクリアにして、今の社会に合うような流れを持っていかないと、誰も応援してくれなくなる。スポンサーなどを軽視しすぎている」と指摘する。選手が強化を図るには金銭面のサポートも重要。より選手が競技に集中できる環境づくりに尽力しなければならないというわけだ。

28年ロサンゼルス五輪までの4年間は長いようで短い。松下は「今回のメダルは自分だけだが、自分以外にも力のある選手がいる。そういう人たちとチーム全体で競泳界を盛り上げていきたい」と決意を述べたものの、競泳ニッポンの復活は険しい道のりになりそうだ。

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