【卓球】陳夢に「中指」「地獄へ落ちろ」の罵詈雑言で中国ＳＮＳアカウント大量永久凍結処分

勝利して観客に手を振った陳夢だったが…（ロイター）

卓球女子金メダリストへの罵詈雑言が中国で大問題となっている。

パリ五輪卓球女子シングルス決勝で、東京五輪金メダルの陳夢が世界ランク１位の孫穎莎を４―２で下し、２連覇を達成した。ハイレベルな一戦となり、ここ数年、卓球界のトップを走る無敵女王の孫を、戦術と無駄のない動きで陳が攻略。再び金メダルを獲得した。

一方で孫の声援で埋め尽くされる異常な会場の様子が物議を醸した。孫のバナーを持つファンが悲鳴にも似た歓声で孫を応援。陳へはまばらで、陳が勝利決定後に観客に手を振ると、中指を立てる暴挙に出るファンが。また「金返せ！」と叫ぶファンも登場した。

中国では、度を越した声援をするおっかけ軍団が大問題となっている。孫は中国でも屈指の人気選手。しかし陳は王曼昱との激烈なシングルス争いを制して代表入りしたこともあり、アンチから攻撃される中で大会を迎えていた。

パリの会場だけではなく、中国ＳＮＳのウェイボーでも陳夢勝利に不満のファンが暴挙。「地獄に落ちろ！」や「呪ってやる！」などといった罵詈雑言や「あなたは、全国民の夢をぶち壊した」などと誹謗中傷が殺到した。これに対し、ウェイボーの管理者は４日、「卓球女子決勝で、一部の観客の不適説な言動がインターネット上で論争を巻き起こし、一部のユーザーはこの機会に悪意ある憶測を流したり、選手やコーチングスタッフを攻撃する理不尽な発言まで投稿した」と報告。

さらに「過去２日間に関連イベントに関する議論で発生した扇動、悪意のある攻撃、その他の行為に応じて１万２０００件以上の違法コンテンツを除去した」と発表。特定のアカウントを名指しし「３００を超える違法アカウントは、段階的に禁止される予定。深刻度に応じて永久に禁止される」と処分を下したとアナウンスした。

日本でもＳＮＳでの誹謗中傷が大問題となっている今大会。対応が求められている。