【日本ハム】万波中正の劇的満塁弾で勝利も新庄監督「向こうに流れが行って負けるパターン」

新庄剛志監督

日本ハムは６日の楽天戦（楽天モバイル）で延長１０回に５―１で勝利し、２位・ロッテのとのゲーム差を「２」に縮めた。

先発した金村が初回から１４０キロ台後半の直球と変化球を低めに集めて相手打線を翻弄。８回まで３安打無失点の好投を見せた。だが、１―０と完封目前の９回に連打と内野ゴロで二死二、三塁のピンチを招くと、続く茂木に左前適時打を浴びて同点に…。今季初の完封勝利とはならなかった。

だが、この日は打線が奮起した。５回二死二塁から清宮幸太郎内野手（２５）が右中間へ適時二塁打を放って先制。４回一死から四球で出塁した後、郡司の平凡な中飛にアウトカウントを間違えて〝暴走〟し、慌てて帰塁したものの自らもアウトとなったミスをバットで取り返した。

そして極めつきは同点で突入した延長１０回だ。万波が二死満塁の場面で相手守護神・則本から起死回生の１５号グランドスラム。粘る楽天を最後に振り切った。

この劇的な勝利に試合後の新庄剛志監督（５２）は興奮するかと思いきや「今日は運が良かっただけですよ」と試合展開を冷静に分析。「走塁ミスを２つして、普通なら向こうに流れが行って負けるパターンなんですけど。金村君が踏ん張ってくれて。まあ（金村は）悔しいでしょうけどね」と細かいミスを連発した野手と最後のアウトを取れず完封を逃した金村に奮起を促した。

また、走塁ミスを犯しながらも先制適時打を放った清宮に関しては「スター（選手）に上がっていくにはやっぱり（ミスは）良くない。普通なら（走塁ミスした後に）代えてますけど、もう１回チャンスを与えようと思ってね。結果論ですけどそれで打ってね。明日、お仕置きをしておきます」と苦笑いを浮かべながらゲキを飛ばした。

さらに、勝負を決めた万波については「調子が上がってくるとバッティングフォームが変わってくるから。今のままでしっかりね。その前の（打席の）内容もあまり良くなかったんですけど。でも、ああいうところで決められる選手は使いたくなる」。最後は辛口ながらも主砲の持つ勝負強さに目を細めていた。