【阪神】佐藤輝明4年連続20発は「難しい話ではない」 伊勢孝夫氏が〝ノースランプ〟予言する根拠
東スポWEB / 2024年8月7日 5時38分
阪神・佐藤輝明内野手(25)が6日のヤクルト戦(神宮)で3戦連発となる9号2ランを含む4打数3安打3打点をマーク。8月に入り月間打率6割1分9厘と、驚異的な成績を残している。本紙評論家の伊勢孝夫氏は「開幕前から取り組んできた股関節の強化が、ここにきて結果となって表れてきた」と称賛。プロ入りから4年連続となる20本塁打到達にも太鼓判を押した。
【新IDアナライザー・伊勢孝夫】4―5で阪神がサヨナラ負けを喫してしまったこの日の最大のポイントは、4―4の同点で迎えた8回の阪神の攻撃。一死一、三塁で打席に入った梅野が空振り三振に倒れたシーンだ。マウンド上には5番手右腕・木沢。捕手3人制で臨んでいる以上、代打を送ってもいい場面だったが、左の切り札である糸原は既に使っていたし、もう一人の左打者・島田も代走として塁上にいた。
左太ももの負傷で戦線離脱中の小幡がいてくれれば…と、岡田監督も思ったのではないか。右投手のツーシームを得意とする彼なら木沢の球にうまく対応し、最低でも打球を前に飛ばせたはずだ。ベンチに不在だった一枚の〝駒〟が勝敗を分けたと私はみている。
話題を佐藤輝に移そう。内角へ食い込んでくるカットボールに対応し、右翼ポールを巻き込んでスタンド中段まで運んだ3回の一発は実に見事だった。あの打球がファウルにならなかったのは「インサイドアウト」のスイングをできている証拠だ。打席内でも力が抜けた楽な姿勢で構えることができているし、ハンドリングにも力みがない。
オフに米国のトレーニング施設で動作解析を受け、股関節の使い方を見直すドリルに取り組んできたそうだが、ようやくここにきて結果に結びついてきたのではないか。頭―ヘソ―股間の中心線が動いていないからバットが内側から出る。体勢が前に飛び出さないから、ゾーンの外に逃げていく変化球にもバットが止まる。これまで大の苦手としてきたインハイにも対応できるようになっているから、打者有利のカウントで勝負できる。まさに理想的な打撃フォームではないか。
一軍再昇格を果たした6月あたりから状態の良さは感じていたが、8月に入った現在までの2か月間の長きにわたり、好調を持続できている。これまでのような極端な〝スランプ期間〟にハマり込む心配ももうないだろう。打率も気が付けば2割8分2厘まで上昇。20本塁打到達も十分に可能だ。シーズンは残り43試合。4~5試合に1本のペースで打てばいいわけだから、今の彼なら難しい話ではない。(本紙評論家)
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