【日本ハム】清宮幸太郎「左翼」起用で最強オーダー完成か 試合前に異例の雨中公開練習

日本ハム・清宮幸太郎

いよいよ最強オーダーが完成か。パ・リーグ３位の日本ハムは７日の楽天戦（楽天モバイル）に２―０で快勝した。勝負を決めたのは絶好調の清宮幸太郎内野手（２５）による豪快なひと振り。ただ、新庄剛志監督（５２）が先発起用したのは本職の一塁ではなく「左翼」だった。今後もにらんだ超攻撃的布陣とみられ、チーム浮上の原動力となりそうだ。

またまた背番号２１のバットが火を噴いた。両チームとも無得点のまま進んだ８回二死一塁で、清宮は相手先発・岸が投じた初球の直球を豪快に振り抜き、打球を右翼席中段に突き刺した。値千金の６号２ランで勝利に導いた清宮は「手応えは十分ありました。もっともっと打ちたいと思うので。もっと打ちます」と笑顔だった。

だが、本人にとっては普段と勝手が違った。試合途中から一塁の守備位置に就いたが、左翼でのスタメン。左翼で先発出場するのは２日のソフトバンク戦以来ながら今季４度目だった。しかも試合前には異例の光景が広がった。新庄監督が清宮に対して「雨中公開練習」を決行したのだ。

この日は午後３時過ぎから雨が降り始め、チームは屋外で予定していた全体練習を室内に変更。野手の大半が室内で打撃練習やノックをこなした中、指揮官が動いた。同４時３０分過ぎに突然、本球場のグラウンドに姿を現すと、室内で汗を流していた清宮を〝招集〟。対面するなり、頭をポカリとたたいて約２０分間、誰もいないグラウンドで左翼守備に取り組ませたのだ。

前夜の試合で清宮はアウトカウントを間違え、走塁ミスを犯していた。新庄監督は「お仕置きしておきます」と予告していたため、チーム周辺から「昨日の走塁ミスの罰ノックなのだろう」ともささやかれた。しかし、選手や関係者に人一倍の気配りを忘れない指揮官が、雨の敵地の試合前に「特守」などさせるわけもない。この日の試合で左翼に抜てきするだけでなく、今後に向けた期待の表れに他ならなかった。

チーム事情としても、清宮が本職とする一塁には複数の選手が〝渋滞中〟。清宮を一塁に固定してしまうとマルティネスやレイエスといった一発を期待できる大砲を集めた超攻撃的布陣を組めなくなる。しかし、清宮が左翼を無難にこなせるようになれば、全ての問題が解決するわけだ。

このピースがハマれば今後のＣＳ進出争い、さらにはその先の戦いにも強力なオプションとなる。新庄監督はあえて「絶対に褒めない」と厳しい言葉を並べるが、その裏には大きな期待が詰められている。