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【レスリング】日下尚が快挙の金メダル 海外勢が「クレイジー」と仰天した〝規格外の怪物〟

東スポWEB / 2024年8月8日 7時12分

金メダルを獲得した日下尚は全身で喜びを表現

【フランス・パリ7日(日本時間8日)発】パリ五輪レスリング男子グレコローマン77キロ級決勝、世界ランキング1位で初出場の日下尚(23=三恵海運)が、デメウ・ジャドラエフ(カザフスタン)を5―2で下し、金メダルを獲得した。世界の猛者がそろう層の厚い階級で頂点に立つ偉業を達成。その裏側には、海外で「クレイジー!」と仰天された〝怪物ぶり〟があった。

相手に2ポイントを許し、追う展開で迎えた第2ピリオド。日下は攻撃のギアを上げると、スタンドの状態から相手を倒し4ポイントを獲得する。さらに1ポイントを追加し、五輪王者の座を確実にした。

「夢を見ているようです。最高に楽しい6分間でした!」。自身の名前の由来となっているマラソン女子の五輪金メダリスト・高橋尚子さんの名言を借りて、心境を語った。さらに「ホンマに最高しか言えないですね、正直。一つだけ言うと『どんなもんじゃい』という感じ」と胸を張った。

中学まで親しんだ相撲で鍛えた強靱な下半身が武器だ。指導する笹本睦コーチは「前に出られる力があるので、相手選手は疲れます。相撲取りを6分間相手にしている感じ。スタンドで飛び抜けたものがあるわけではないが、体力がすごい。差して前に出て、相手をバテさせます。練習でも『動け!』って言ったらどこまでも動く。それだけの練習量があります」と強さを説明する。

豊富な練習量は、海外勢をドン引きさせていた。昨年の世界選手権前のドイツ遠征。海外から強豪ばかりが集まる世界合宿に参加した。階級別に3グループに分かれ、順番に汗を流す。他国選手は午前と午後に1度ずつある自分の階級の練習にしか参加しないが、日下は自主的に別の階級にも参加。1日4部練習をこなした。「海外のコーチが『あいつ何で出ているの?』って。しかも『きついっす』って言いながらニコニコしているんですよ。海外のコーチはみんな『クレイジーだ』って驚いていました」(同コーチ)。強靱な下半身に、他を圧倒する練習量。強くならないわけがない。

メンタル面でも動じない強さを持っている。悲願達成のため、断酒を実行した。「五輪のために今年の1月1日からやめてます。めっちゃ飲みたくなりますが、僕はなんでも我慢できる『我慢の男』なんで」(日下)

誹謗中傷にも動じない。今年4月のアジア選手権で、世界2連覇の強豪アフメド・マフムドフ(キルギス)を破って優勝した際、キルギスの国民的英雄に勝ったことでインスタは大荒れとなった。「ひどいことをめちゃくちゃ書かれましたよ。でも関係ありません。自分、我慢の男なんで」とニッコリ。何を言われても軽く受け流し、パリの舞台だけに集中した。

「スターになる」と公言する23歳。海外ではレスリング人気は高く、会場は常に満員となるが、日本は閑古鳥が鳴く。「自分がこの状況を変える」と野心を抱き、パリでは試合後にマットでバック転を披露。テレビインタビューでは画面に向かって「シャー! やったぜ!!」と絶叫する規格外の行動に出た。

明るい性格でスター性も抜群。日本レスリング界に、愛すべき怪物が誕生した。

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