【レスリング】ワンダーガール・藤波朱理 ラーメン断ち、過酷減量は「金メダルのため」

金メダルに王手をかけた藤波朱理

妥協を許さぬワンダーガールが金メダルまであと１勝だ。女子５３キロ級準決勝で、初出場の藤波朱理（２０＝日体大）が、東京五輪銀メダルの龐倩玉（中国）に１０―０のテクニカルスペリオリティー勝ち。公式戦連勝記録を１３６に伸ばし、決勝に進出した。

ドミニクオリビア・パリッシュ（米国）との初戦、フラン・バトフヤグ（モンゴル）との準々決勝で２試合連続フォール勝ち。準決勝ではさらに動きが良くなり、片足タックルが炸裂。危なげなく８日の決勝へ進出した。「自分の研究をしてきてるのは分かった上で、自分はそれを上回るような練習をしてきた自信はあった。やることは決まっていたので、思い切り戦うことができた」と振り返った。

海外で「ワンダーガール」と注目される逸材だ。五輪で金を取るため、一切の妥協を許さぬ生活を送っている。減量が避けられない競技とあって、米は玄米や雑穀米。おわんに自分でよそう際も、１０グラム単位で量って口にする。ラーメンは食べず、好物のすしやカレーを思い切り食べられるのは試合が終わった後だけ。厳しく自分を律している。父でコーチの藤波俊一氏は「家で見るのはレスリングの動画ばかり。ドラマとかにはまったく興味を示さない」と、生活のすべてを五輪金メダルのために費やしている。

今年３月に左ヒジを手術し、サポーターを巻いている。それでも「痛みとかはほとんどなく、大丈夫。（サポーターは）ケガをしてからずっとつけて練習をしてきたので、痛み予防というより、お守りみたいな感覚」と影響なし。「明日にすべてをかけたいと思う」と決勝へ力を込めた。