【巨人】阿部監督が明かす戸郷＆大城卓バッテリーの狙い「本人に選ばせた」

巨人・戸郷翔征

巨人の阿部慎之助監督（４５）が５―０で勝利した８日の広島戦（東京ドーム）後、完封勝利＆適時打でチームに貢献した先発の戸郷翔征投手（２４）を絶賛した。

エースの貫録を見せた。戸郷は初回を三者凡退に抑える好発進を見せると、２回には三塁まで走者を進めるピンチを招きながら無失点で切り抜けて危機を脱出。その後は７回まで二塁を踏ませない投球で広島打線を圧倒したが、相手先発・大瀬良も好投を続けたことで試合は序盤から投手戦の様相を見せた。

それでも７回にモンテスが先制適時打を放つと、なおも無死満塁で打席には戸郷。ここで大瀬良から今季初安打となるレフトへの適時打を放つと、左翼手・末包が打球を後逸したことで走者一掃の一打となった。記録上は適時打となったが、この回一挙５点を奪い大瀬良をマウンドから引きずり下ろすことに成功。右腕にとってはセーフティーリードとなり、９回１１８球を投げぬいて８勝目を挙げた。

阿部監督は「本当にどっちに流れが転がってもおかしくない状況だったので。とても緊張感のある前半戦でしたね」と投手戦を振り返ると、戸郷については「ナイスピッチングだったね。（良かった点は）真っすぐを使えたってとこじゃないですかね。いつもはなんかこねくり回してその間にやられて、拾われて、繋がれて…みたいな。今日は力勝負に行ったのかなと思っていていました」と評価した。

指揮官なりの気遣いも見せていた。この日エースが組んだ女房役は過去４年間で最もバッテリーを組んだ大城卓。阿部監督は「ここのところ調子もあんまりよくなかったから（捕手を）本人に選ばせた。一番（マスクを）被っているのは大城だから、多分選んだんじゃないかと僕は思いますけどね。見事に完封でナイスリードだったんじゃないかなと思います」と狙いを明かしながらバッテリーを称賛した。

選ばれた大城卓は「結構ずっと組んでいたので、そういうのも嬉しいですし、次もあればしっかりとまた一緒に勝ちたい」と笑顔を見せれば、戸郷自身も「岸田さんにも、（小林）誠司さんにもいいリードをしてもらっている。その中で（大城）卓三さんも久々のマスクでしたし、いい部分を引き出してもらえたんじゃないかなと思います」と感謝の言葉を口にした。

エース同士の投げ合いを制した若き右腕。阿部巨人にとっては後半戦を戦う中での追い風となるはずだ。