【甲子園】3年前コロナ辞退の宮崎商が中京大中京に惜敗「自分たちが勝って恩返ししたかった」
東スポWEB / 2024年8月10日 13時39分
第106回全国高校野球選手権大会の第4日(10日)第1試合は3年ぶり6度目出場の宮崎商が7年ぶり29度目出場の中京大中京(愛知)に3―4で惜敗。2008年以来、16年ぶりとなる甲子園勝利を飾ることはできなかった。
先発した上山(3年)の立ち上がりは抜群だった。初回に自己最速の145キロをマークするなど3回まで直球を中心にグイグイと押し込んだ。4回は失策も絡むなど2点を先制されたが、味方打線が後半から奮起。
6回に一死二、三塁から6番・日高(2年)の中犠飛、続く小倉(3年)の中越え適時三塁打で同点に追いつき、試合を振り出しに戻した。さらに2―2の7回二死三塁では4番・上山が左前適時打を放ち、ついに勝ち越しに成功した。
ところが、100球を超えると上山が踏ん張れなかった。直後の7回に二死一、三塁のピンチを招くと、相手の4番・杉浦(3年)、5番・仲(3年)に連続適時打を浴びて逆転を許し、途中降板を余儀なくされた。「ピンチはチャンスと捉えて甲子園に臨んだ。直球は走っていたけど、ここぞの場面で変化球のキレが足りなくて、終盤にスタミナが落ちてしまった。実力不足です」と肩を落とした。
アクシデントも起きた。遊撃でスタメン出場した中村(3年)に終盤はスイッチするのが理想の継投策だったが、7回に足がつってしまい、登板できなかった。橋口監督は「8、9回は中村という流れで考えていましたが…。ウチの展開でゲームは運べていたが、私がもう少し(気持ちを)ほぐしてあげたりいろいろできれば何とか逃げ切れた。勝てる流れだったのに、悔いが残ります」と残念がった。
3年前、2021年夏は宮崎大会を制したが、チーム内に新型コロナウイルス感染が広がり、初戦を前に無念の不戦敗。当時の先輩たちに憧れて入学した上山は「自分たちが勝って恩返ししたかった」と言いつつも「こんなに大観衆の前で笑顔を絶やさず、声を掛け合う自分たちの野球ができた」と涙は見せなかった。
地元宮崎では8日に震度6弱の地震が発生。宮崎県勢の令和初勝利とはならなかったが、橋口監督は「勝利で盛り上げることが一番でしたが、粘り強い野球を選手たちがしてくれたので、そういうのを見て県民を勇気づけられたのならと思います」と胸の内を明かした。
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