【西武】〝オール下位打線〟が大低迷に直結 問題視される「育成のライオンズ」の破綻
東スポWEB / 2024年8月11日 6時10分
西武が10日の日本ハム戦(エスコン)に1―5と逆転負けし、今季7度目の5連敗。借金は球団史上ワースト勝率(3割1分1厘)を記録した1971年の前身、西鉄時代(38勝84敗8分けで借金46)以来の40となった。
外崎のソロ本塁打で先制した虎の子の1点を6回までわずか1安打と守っていた先発・今井達也投手(26)が、7回に変調。四球と安打、味方のエラーも絡み一死満塁のピンチに立ち、3つの四死球で逆転を許し、試合の主導権を手放した。
今井は「7回は慎重になりすぎて厳しいところに投げようと意識してしまったことが、悪い結果につながってしまいました」と失点場面を反省したが毎回、味方の援護が見込めないタイトな試合展開の中で、無失点投球を継続していくことは難しい。
12球団ワーストのチーム打率2割5厘、同227得点(1試合平均2・3点)の貧打戦はこの日もわずか2安打で得点は外崎の5号ソロによる1点のみだった。
ここまで100試合で起用された3番打者がのべ11人、4番が10人、5番が14人とクリーンアップが固定できない打線は〝オール下位打線〟と呼ばれても仕方のない惨状となっている。
打線の核だった浅村(現楽天)、秋山(現広島)、森(現オリックス)、山川(現ソフトバンク)のFA流出があったとはいえ、あらかじめ予測されていた危機を穴埋めできていない現状も球団内では問題視されているようだ。
西武では「育成のライオンズ」を標榜し、2019年から三軍制(一時廃止となり現在復活)を導入。スカウティングと育成の強化を推進してきた。
しかし、くしくも〝最後の外野手レギュラー〟秋山翔吾がMLBレッズにFA移籍したこの19年以降、この5年間で外野のレギュラーは現れず浅村、山川、森の抜けたクリーンアップも後継の育成が滞り人材不足が露呈してしまっている。
チーム、球団周辺からは「ファーム制度や分析班の新設など新たな取り組みや部署を立ち上げたのはいいが、現状で成果は出ていない。一方で人が増えた分、責任の所在が曖昧になってしまった」と急速な組織拡大の弊害を嘆く声もある。
チームの歴史的低迷に伴い、組織のスリム化、責任の明確化を図るべく、低迷の原因追及が急ピッチで行われている。
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