【福岡ボート・ＰＧⅠレディースＣ】田原成貴氏 主役に遠藤エミ指名「一番強い人が一番いいエンジンを持っている」

優勝戦も１号艇をゲットした遠藤エミ

猛暑の中、白熱バトルを繰り広げてきたボートレース福岡のプレミアムＧⅠ「第３８回レディースチャンピオン」は１２日、準優戦を勝ち上がった６選手によって優勝戦が行われる。〝真夏の女王〟の座は誰が手にするのか――。ボートレースファン歴４６年、元天才ジョッキー田原成貴氏（６５）は福岡ボート場の思い出を書きつづり、あの最強女子レーサーを本命に据えた。

【田原成貴氏が熱く語る】現役ジョッキー時代、東京競馬場のターフに出ると、向正面に首都高が見えた。返し馬をしながら、ユーミンの名曲「中央フリーウェイ」の歌詞「♪右に見える競馬場 左はビール工場」を気持ち良さそうに口ずさむヤツもいた。

ただ、私は別のことを考えていた。その光景を見ると、なぜかボートレース福岡を思い出した。スタンドから水面を見渡すと、向こう岸に福岡都市高速、大型ビジョンの後方には日清製粉の工場が見えた。ターフと水面の違いだけで、府中と全く同じ景色。ボートレースが大好きな私にとって、福岡ボートこそがユーミンの歌の舞台であった。

だが、不思議なことに福岡ボートにいると東京競馬場を思い出した。ボートレースという趣味を持ったジョッキー。今大会も景色と歌を頭の中でシンクロさせながら、女子最強を決めるレースを予選から見させてもらった。

さあ、優勝戦。今回は自信を持って遠藤エミ選手だ。とにかく予選から抜群の出足を誇っていた。準優の逃げ切りは圧巻だったが、私が印象的だったのが３日目７Ｒ、４日目１０Ｒのまくりだ。それぞれ４、３コースからの果敢な全速戦だったが、どちらもまくった後のターン出口で強烈に前へ出て行った。まくりというより強ツケマイといったイメージ。一番強い人が一番いいエンジンを持っているのだから、負けようがない。

恐らく今の状態ならどのコースからでも勝つだろう。正直、遠藤選手が優勝戦に乗ったら何号艇でも中心にするつもりだった。そんなツワモノが１号艇なのだから、もう逆らえない。連覇する姿が私にはすでに見えている。