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【菊地敏幸連載#20】在阪の上原浩治、二岡智宏を阪神が獲れないとは…それはダメでしょう

東スポWEB / 2024年8月14日 11時5分

98年のドラフトで上原(右)と二岡(左)は逆指名で巨人に入団。中は当時の長嶋茂雄監督

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(20)】私がタイガースのスカウト在任当時「阪神はなぜ関西の有力選手を獲得できないのか」という批判を多く聞きました。理由は単純ではないのですが、実際に多くの在阪有力選手が他球団にドラフトされ、活躍していたのは事実です。

1998年ドラフトでは阪神ファンを公言していた上原浩治(大阪・東海大仰星~大阪体育大)、二岡智宏(広島・広陵~近畿大)が、在阪の大学から逆指名で2人とも巨人に持っていかれているのに、指をくわえて何もしないのかという状況でした。

それはダメでしょう。やるだけやって、最後には金銭的な条件で負けちゃってどうしても無理だったというなら別だとは思うんです。でも、そこまでの努力を当時の仲間たちが行っていたと感じられなかったのは残念でなりませんでした。

関西の名門であるはずの阪神が関西の有力選手を獲れないという実情。本当に恥ずかしく思っていました。タイガースに憧れて、タテジマに袖を通すことが夢である選手は少なくないはずなんです。それなのに水面下での動きを活発に行っていなければ、大人の世界ですから結果が伴わないのも事実です。

本来は関西も九州も関東もなく、どこからでもいい人材を確保できればいいはずなんです。でも、地元の関西エリアでのスカウト活動が強くない阪神タイガースに納得がいかなくてね。私は関東担当ですが、自分たちが本当に頑張らなきゃという気持ちで仕事をしたものでした。

90年代から2000年代の西武に目を向ければ松井稼頭央(大阪・PL学園)、中島裕之(兵庫・伊丹北)、栗山巧(兵庫・育英)、中村剛也(大阪桐蔭)、浅村栄斗(大阪桐蔭)ら多くの在阪高校出身選手が入団し、大活躍をしています。当時の担当スカウトが他球団の動向を事前に察知していれば、阪神が指名に動いて獲得できた選手も複数、存在したはずなんです。

そのころの阪神はというと91年に萩原誠(大阪桐蔭)を1位指名してはいます。ですが、成績という面では芳しくはなかった。同じ年のドラフトで中村紀洋(大阪・渋谷高)を近鉄は4位で獲得し名球会入りの大活躍なわけですよ。これでは、何やってんだってたたかれても仕方がないですよね。そんなケースが多かった。これを偶然だったで片付けていたのではチームは強くなりません。

何度も言いますが、私は当時の仲間を批判したいわけではありません。多くの地元の才能を他球団に持っていかれれば悔しいですし、チームも低迷していたのですから余計に悔しいじゃないですか。現在は幸い、球団の編成部門がしっかりしているからチームも強くなり、その状態をキープできているのでしょう。

99年ドラフトでは逆指名1位で阪神は的場寛一内野手(愛知・弥富高~九州共立大)を獲得しています。阪神の他にも中日、西武、近鉄が逆指名争いに参戦し、実力を評価されていました。

阪神は競争を勝ち抜いて地元、尼崎出身の的場の獲得に成功したわけです。結果的には期待されながら故障に泣かされ寛一はかわいそうでしたが…。

私は実は99年ドラフトでは巨人に逆指名1位で入団した東芝の高橋尚成(東京・修徳高~駒澤大)を評価していました。1年目の00年に9勝を挙げ、長嶋巨人のミレニアムVに貢献しました。もし、獲得に成功していたなら…。たらればはないですが、ドラフトというのは本当に難しいものです。

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