クライミング・森秋彩の身長差問題で専門家が〝根本問題〟を指摘「協会に改善のお声を」
東スポWEB / 2024年8月16日 14時30分
パリ五輪スポーツクライミング複合女子の決勝で、森秋彩(20=茨城県連盟)が身長差によって結果が大きく左右する課題を攻略できず0点に終わったことが物議を醸す中で、日本人女性初のプロクライマーでスポーツクライミングの専門家でもある尾川とも子氏(46)が〝根本的な問題〟を指摘した。
森は優勝候補の一角だったが、ボルダーの第1課題で身長が影響する特性に四苦八苦。まさかの0点に終わった。この結果が後に大きく影響し、リードで快進撃を見せたものの惜しくも4位に終わって悲願のメダルを逃した。
英紙「デイリー・メール」は「身長が壁まで届かなかったため、競技を始めることすらできず、ファンは彼女が『いじめられた』と主張している」と問題提起。世界中で今回の課題設定をめぐって議論が沸騰している様子を伝え、身長が高い欧米勢に有利な課題設定との指摘が殺到している。
波紋が広がる中で、尾川氏は今回の問題を自身のX(旧ツイッター)で積極的に発信。ファンから寄せられるさまざまな疑問に対して、一つひとつ丁寧に回答を続けている。
そして、尾川氏は五輪で採用されている競技の形態自体について取り上げた。「経験者側からだと森がスタートで苦戦するのは良くあり見慣れてますが、未経験の観客にとっては、不快となり、興行としてイマイチかと思います。改善するよう協会にお声をあげてください また普段、森はジャンプが少ないリードで頑張っています。オリンピックのみ複合にしているのが問題です」と指摘。森は本来リードを専門としており、騒動になっているボルダーは専門外。それでも、五輪では「複合」が種目になっており、それぞれの特性に合った種目が設定されていないことを疑問視した。
重ねて「スタートから遠いのは珍しくなく、高身長が有利なボルダーで森がスタート飛びで苦戦する場面はよくありますが、観客には不快となり、興行として良くない思います。普段低身長の森はジャンプが少ないリードで頑張ってます。オリンピックのみ複合にしているのが問題です協会に改善のお声をあげて下さい」と続け、国内の協会や世界の統括団体などに向けて、複合ではなくそれぞれ単一種目での五輪競技入りに向けて提案することが重要になると呼びかけた。
森の問題が、競技のあり方について議論が深まるキッカケになるかもしれない。
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