【レスリング】失格騒動ビネシュの訴え棄却でインドが徹底抗戦 「非人道的」と法的措置へ

須崎優衣を破ったビネシュ

パリ五輪のレスリング女子５０キロ級で当日計量で体重超過したため決勝を前に失格したビネシュ（インド）をめぐって、インドオリンピック委員会（ＩＯＡ）が徹底抗戦を構えを見せている。

ビネシュは５日の１回戦で東京五輪金メダリストの須崎優衣（キッツ）から大金星を奪うも、決勝進出を果たしながらその後に体重が増加。サウナや血を抜き取るなど壮絶な減量を試みたが、決勝当日の規定時刻までにわずか１００グラムをオーバーしてしまい失格となった。

インド側は、誤差の範囲内として出場の権利を認めるべきだと主張。スポーツ仲裁裁判所（ＣＡＳ）に銀メダルを授与される権利を提訴したが、１４日に棄却された。だが納得できないインド側は、徹底抗戦の方針を表明した。

インドメディア「ＮＤＴＶ」は、ＩＯＡの見解を報道。「ビネシュ選手の件は、アスリート、特に女性アスリートが受ける生理的、精神的ストレスを考慮していない。厳しすぎ、おそらく非人道的な規制を浮き彫りにしている。アスリートの健康を優先する、より公平で合理的な基準が必要であることをはっきりと思い起こさせるものだ」とＣＡＳの裁定を批判。そして「ＩＯＡはビネシュに全面的な支援を表明し、訴訟が確実に審理されるように、さらなる法的選択肢を検討中であることを確認した」と今後は法廷闘争に持ち込む方針を明らかにした。

ビネシュをめぐる問題は泥沼化の様相を呈してきた。