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五輪金メダルの日下尚は相撲の素質も〝横綱級〟 秀ノ山親方が出稽古に来た「相撲レスラー」の実力を分析

東スポWEB / 2024年8月19日 6時18分

金メダリスト・日下尚は相撲部屋に出稽古に来ていたという

相撲の素質も〝横綱級〟だ。パリ五輪では日本のレスリング勢が大躍進。男子グレコローマン77キロ級で金メダルに輝いた日下尚(23=三恵海運)は、相撲の経験を競技に生かしたことでも注目を集めた。元大関琴奨菊の秀ノ山親方(40=本紙評論家)による連載「がぶりトーク」では、五輪前に出稽古に来た〝相撲レスラー〟の実力を徹底分析。相撲とレスリングの相性の良さについても解説した。

【秀ノ山親方・がぶりトーク】読者のみなさん、こんにちは! パリ五輪ではレスリングの日下尚選手が見事に金メダルを獲得しました。私もテレビの生中継を見ながら応援していましたが、思わず力が入りました(笑い)。決勝の大一番も気迫を前面に出して、一歩も引かずに6分間を戦い抜いた。勝った直後にウワーッと叫んでいる姿を見て、こちらも胸が熱くなりましたね。きっと、相当な重圧を背負いながら戦っていたのだと思います。

日下選手は今年の初場所後、千葉・松戸の佐渡ヶ嶽部屋まで出稽古に来てくれました。目的の一つは、パワーがある海外の選手に対抗するために、力士の圧力を肌で感じておきたかったからだそうです。自分のプラスになることなら、普段の練習環境の枠を超えて何でも貪欲に吸収しようとする姿勢が素晴らしいですよね。小さいころから相撲をやっていただけあって、基礎に関しては教えることがないくらい上手だった。私からは実戦的な部分、相手の重心の外し方や押し方のコツなどを話しました。

近くで接してみて改めて驚いたのは、その足腰の強さ。そしてレスリング選手の運動能力の高さです。相撲は押したり投げたり、立って組む動作が中心。レスリングの場合はヒザをついてもいいし、寝技まであって相撲よりも動きが複雑なんですね。全身運動にもなるので、基礎体力がしっかりしている。日下選手ほどになれば、大相撲の世界でも十分に通用するレベル。本格的に稽古を積めば、大相撲を背負って立つぐらいの存在になれるはずです。

実は私自身、大関時代にレスリングの道場に通っていたことがある。小兵力士でレスリング経験者の宇良や旭日松の動きを見て、興味がわいたんですね。実際に自分でやってみるとレスリングの動きは想像以上にハードで、普段は相撲で使わない筋肉も鍛えられた。確実にプラスになったし、相撲との相性の良さを実感しました。

力士としての土台をつくる上でも、基礎体力がついて運動能力を高めてくれるレスリングは打ってつけ。私の7歳の長男にも道場に通わせていますから。自分が将来、弟子を持つ立場になったら、特に100キロ未満の子にはまずはレスリングをやらせようかと思っているぐらいです。その時には、今度は日下選手にコーチをお願いしたいですね(笑い)。

パリ五輪に話を戻すと、相撲の下地がある日下選手が世界の大舞台で頂点に立ったのは、相撲を指導する立場の私にとってもうれしいことだし、大きな刺激にもなりました。ぜひ次のロサンゼルス五輪でも活躍して、連覇を達成してもらいたいですね。それではまた!

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