比嘉大吾陣営が自ら癖を明かす陽動作戦も…武居陣営「みんなが考えそうなこと」

比嘉大吾（左）と野木丈司トレーナー

ゴングを前にトレーナー同士が〝前哨戦〟を繰り広げた。ボクシングのＷＢＯ世界バンタム級タイトルマッチ（９月３日、有明アリーナ）で王者・武居由樹（２８＝大橋）に挑戦する同級１位・比嘉大吾（２９）が１９日、都内の所属ジムで練習を公開。武居を指導する八重樫東トレーナー（４１）が偵察する中、比嘉を指導する野木丈司トレーナー（６４）はあえて比嘉の癖を明かすなど陽動作戦を仕掛けた。

陸上競技出身の野木トレーナーは、ボクサーや格闘家を集めて階段を駆け上がるトレーニングを主宰しており、比嘉、武居、八重樫トレーナーはそこでともに汗を流した間柄。デビュー１５連続ＫＯの日本記録を持つ比嘉は、武居は９勝中ＫＯが８という強打者同士の一戦のポイントを「離れていると武居君の倒しぶりが生きる。自分がどれだけ入って距離をつぶせるか。距離次第」と語った。

すると、野木トレーナーは「武居選手は（懐に）入られたくない。大吾の癖がありまして、頭をぐっと下げてから入る。そこをフェイントにする練習をしてきました」と、大笑いしながら八重樫トレーナーの前で明言。「（相手は）大吾はこうなるから、ここでアッパー狙えとか練習していると思いますよ」と惑わせる言葉を投げかけた。

しかし、八重樫トレーナーは動じず、比嘉が短時間公開した練習を見ると、「（癖は）出ていました。今の動きだけでも。心理戦とかじゃないですよ。そこはもちろん突いていくつもり」とニヤリ。フェイント発言についても「みんなが考えそうなことじゃないですか。やるのは想定内で、違うところの癖もあるんですよ」と指摘した。

野木トレーナーは「（武居）チャンピオンも八重樫トレーナーも大好きなんですが、いただいたチャンスなので勝負に徹する」と宣言し、「判定勝負になると思う」と予想。八重樫トレーナーは「敬意をもってぶっ倒そうかなと思います。どっちかが倒れると思うので、武居が倒して終わりたい」とＫＯ決着を予想した。

リング上で拳を交えるのは比嘉と武居。両雄はどのような戦いを繰り広げるだろうか。