【甲子園】神村学園・小田監督「甲子園に魔物はいない」 超進撃の大社撃破で２年連続４強

７回、正林の適時打で、ヘッドスライディングでダメ押し生還した神村学園・入耒田華月(中)

第１０６回全国高校野球選手権大会の第１２日（１９日）準々決勝第４試合は神村学園（鹿児島）が大社（島根）を８―２で下し、２年連続で準決勝に進出した。

強豪撃破の大社の勢いを止めた。エース・今村（３年）が４回途中に同点に追いつかれると、２番手・早瀬（２年）が後続を絶ち、降りしきる雨の中、最後まで無失点で投げ切った。早瀬は「いつも今村さんに助けてもらっているので、絶対助けてあげるつもりだった。相手の応援をいかに自分の投球につなげるかを考えていた。大社の応援を自分の応援歌にした」と強い気持ちで腕を振った。

２―２で迎えた５回、無死一、二塁から今岡（２年）の遊ゴロと相手エラーの間に１点を勝ち越し、さらに７回には一死一、二塁から４番・正林（３年）の左前適時打と岩下（３年）の左越え三塁打、上川床（３年）も右中間を破る二塁打を放って４点を加え、３番手で登場した相手エース・馬庭（３年）を攻略した。

終盤に差し掛かると、大社の大応援が球場を包み込んでいく。アウエー感の中、小田監督はナインを必死に鼓舞した。

「あのすごい応援はすごい。でも、私は甲子園に魔物はいないと思っている。自分の心に圧力がかかった時、それに襲い掛かるのが魔物。すべて魔物をつくり出すのは自分自身の心と思っている。自分を応援してくれていると思ってどっしり構えて行こうと思った」

声をからしてマウンドに「大丈夫だ！」と叫び続け、聞こえて早瀬と目が合うことで「雰囲気に飲まれていないな」と確認できたという。

「今年はここで満足せず、もう１個、もう２個頑張ろうと思ってやってきた。とりあえず１回目の決勝戦が終わった感じ。関東第一さんは強い。初の決勝進出を目指したい」と小田監督は頂点を目指し、準備を整える。