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【菊地敏幸連載#23】赤星が1年目から活躍すると野村克也監督からまさかの発言が!

東スポWEB / 2024年8月20日 11時10分

1年目から大活躍だった赤星(左)。ノムさんのひと言にはたまげた…

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(23)】今回は2000年のドラフト4位で獲得した赤星憲広(JR東日本)の話を少し掘り下げたいと思います。03年と05年のV戦士であり、野球を知っている人なら誰でも「快足」「レッドスター」と認識する印象に残る選手でしょう。

身長が170センチ程度で体重は70キロに満たない。こういう選手をドラフトで指名するというのはどの球団のスカウトも勇気がいると思います。どれだけ社会人野球で結果を残していても、大企業に勤めていればいるほどリスクもありますから。

せっかく約束された安定した人生を崩してしまうことだってあります。それでもプロ野球にスカウトされれば、挑戦したくなってしまうのも人間の心理でしょう。

私の場合は懸念されていた赤星の打撃がプロで通用すると思ったからこそ、指名に踏み切りました。プロ9年で生涯打率2割9分5厘というのはさすがに予想できませんでしたが。

ここまでお話ししたところで当時の野村克也監督の話題にさかのぼります。ドラフト当日、監督は沖原佳典(NTT東日本)を買っており、指名順を赤星で予定していた4位に上げろと提案されました。その際、私は「沖原に関しては所属企業にもしっかり話をしてありますし、必ず獲得できますから」と4位での赤星指名を通してもらいました。

沖原ももちろん、当時のタイガースで戦力になるレベルでした。ただ、長くレギュラーを張れる素材とまでは評価していませんでした。ドラフト時点で28歳でしたから。どちらかといえば、7位指名で獲得した藤本敦士(デュプロ)を当時の関西担当スカウトも推していました。順位としては4位・赤星、6位・沖原、7位・藤本という形となり、予定していた社会人選手を獲得できてシャンシャンとなりホッとしたものです。

ところが、です。赤星が1年目から大活躍をし始めると野村監督は「赤星の名前がタイガースのリストになかったから俺が推薦したんや。阪神のキャンプにも参加しとったやないか」って発言された時にはたまげました。発信力に関しては歴代の球界関係者の中でも抜群の野村監督です。この話がまことしやかに世に広がったものですから、スカウトのみんなで「ちゃうちゃうちゃう」となったことは言うまでもありません。

野村監督とて人間です。赤星、沖原、藤本と指名されたあのドラフト当日の記憶の中で勘違いをされたんだと思います。実際、監督は赤星の実力を評価して試合で起用してくれました。担当スカウトとして感謝しています。もちろん、球界に大貢献された故人を否定するつもりなんてありません。

それにしてもプロ入り後の赤星の活躍は素晴らしいものでした。これは本人が努力を重ね、チャンスを生かし、しっかりと自分の武器で結果を残したからにほかなりません。

引退後もプロ野球中継の解説にとどまらず、ニュース番組など引っ張りだこですよね。最近は岡田監督が現場復帰したことにより沖縄キャンプでの臨時コーチなどで球団にも貢献してくれています。いつまたユニホームを着るのかななどと期待する声も聞きます。

次回ももう少し赤星憲広のお話をさせていただきたいと思います。

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